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サーストン・ムーアがアルバム『Sonic Nurse』を語る……「30代なんてロックには若いな」 THURSTON SAID...

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2004年06月10日 12:00

更新: 2004年06月10日 18:59

ソース: 『bounce』 254号(2004/5/25)

文/村松 タカヒロ

 また、〈SONIC※LIFE〉のTシャツを着て書いてる。頭の中で警備員を掻き分け、ステージに上がる。ダイヴする。骨折する。

 まあとにかく、僕はサーストン・ムーアにこんな質問もしてみた──いま、世界でなにがいちばんクソ? 彼は答えたさ、「最悪のクソは、間違いなくジョージ・ブッシュとその仲間だね」。

 とびきりの、新しいアルバムだ。「大部分の曲はソニック・ダストでスパークしたスタジオで」書かれた。表題は『Sonic Nurse』。なぜナース? まえ、彼はこう話した。

「(〈9.11〉以降にあって)もし儀式的行為/演奏プロセスとしての音楽が〈心理的癒し〉を促進するのだとしたら、それはクールだね。私のことを〈Dr.Noise Bitch〉と呼んでくれたまえ」。うん。〈Sonic Nurse〉って、うん。〈Dr.Noise Bitch〉?

「オレたちはリチャード・プリンス(美術作家。〈Spiritual America〉!)の〈Nurse Series〉のペインティングをスリーヴに使いたいと思ってた。で、『Sonic Nurse』なんだ。ナースのイメージっていうのは、特にあんなふうに描かれたものは、ちょっと見たところ滑稽なんだけど、悲しげでもある。精神的危機が頂点に達している時代に〈癒し〉の必要性を訴えるものとしてね。だけど、それほど深い意味は込めてないよ」。

 ロックはティーンの、世界の(ファッキン僕、は30代)ナースになれるだろうか。“Peace Attack”は、聴いてたら涙、出た。

「30代なんてロックには若いな。いずれにしろ、いまや30代までは〈本当に〉ロックンロールすることなんかできやしないんだよ。オレたちはロックンロールが完全に大人になって、もっともラディカルになった時代に生きてるわけだ。その適例は、ニール・ヤング、ヨーコ・オノ、パティ・スミス、小杉武久。……アルバート・アイラーは、後期の一枚に『Music Is The Healing Force Of The Universe』(音楽は宇宙の癒しの力)って表題を付けた。そいつは真理だよ」。

  前々作『NYC Ghosts & Flowers』から引き続き、「ライヴでの彼は攻撃の準備を整えてとぐろを巻いてる蛇みたいなんだ」というジム・オルークも健在。プレス・リリースには、〈早くも最高傑作の呼び声も〉との記述。でも僕には、ソニック・ユースのニュー・アルバムは、いつだって最高傑作だ。むしろ、そのときどきで新しく最高
なものを出せないバンドなんぞ、犬に喰われちまえ!……っと。で、最高傑作?

「最高のものっていうのは、常に、これからやって来るものなんだ。今日ギターを弾いてたら、新しくて最高なサウンドを見つけちゃって、それが『Sonic Nurse』に使えなかったことが残念でならない。ほんとなんだよ!……日本に行くときには、君たちにそいつを聴かせるからね!」。

〈SONIC※LIFE〉のTシャツ、首はもう、のびのびだし、全体はヨレヨレで、ゴミみたいだ。でも、僕はまたそれを着るし、今度のツアーTシャツも買うさ、ピカピカなやつを。ソニック・ユースは、これぽっちもヨレヨレにならない。

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