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特集

ソニック・ユースを知るための6枚

DISCOGRAPHIC SONIC YOUTH

『Bad Moon Rising』DGC/Geffen(1985)

  ソニック・ユース(SY)の名前が一躍シーンで注目されるキッカケとなった記念すべき3作目。ハードコア~ノーウェイヴの流れを受け継ぎながら自分たちのノイズを生み出した瞬間でもあり、それゆえに血腥い地下の匂いがする。“Death Valley '69”はジャンク的秘儀。

『Sister』DGC/Geffen(1987)

  前作『Evol』の〈姉妹〉編。淡々とした冷気のようなサイケデリアが恐ろしいほど冴え渡る。ギターの変則チューニングにも磨きがかかり、虫歯のようなノイズによって織りなされるドローン音響も完成。初期SYの混沌を煮詰めたような仕上がりで、その孤高さったらない。

『Daydream Nation』DGC/Geffen(1988)

  アナログ2枚組となった本作は、方向が定まりつつあったサウンドから一気に跳躍することで、バンド初期の歴史を凝縮してみせたSY絵巻。濃密なジャム・セッションから生まれたギター・サウンドは地層のように重なりながら、それはやがて美しい鉱脈となる。

『Dirty』DGC/Geffen(1992)

  時代の巡り合わせでグランジの顔的役割を与えられたSY。ブッチ・ヴィグ&アンディ・ウォレスに音作りを任せつつ各曲の持つ物語性=コンセプトに深く踏み込んだ本作は、皮もアンコもずっしり重い超合金アルバム。マイク・ケリーのアートワークも最高。

『Washing Machine』DGC/Geffen(1995)

  サーストン・ムーアのソロ作『Psychic Hearts』を挟んでの13作目はメンフィス録音。というわけでルーツ回帰、になるわけもなく、ひたすら渦巻くギター・ノイズ。でもそこに生々しい音のタッチがあるのは彼の地の魔法かも。19分に渡る“The Diamond Sea”の雄大さ!

『Murray Street』Geffen(2002)

  レコーディング中に起こった〈9.11〉。アルバム・タイトルは自分たちのスタジオがある場所。NYと自分たちの関係を検証しつつ、ロウワー・マンハッタンの音楽史を集約したような本作より、新メンバーとしてジム・オルークが加入。21世紀のSYがセットアップされる。

OTHERDISCOGRAPHIC
ALBUM
『Confusion Is Sex』(1985)
『Evol』(1986)
『Goo』(1990)
『Experimental Jet Set, Trash& No Star』(1994)
『A Thousand Leaves』(1998)
『Goodbye 20th Century』(1999)
『NYC Ghosts & Flowers』(2000)
『Sonic Nurse』(2004)

COMPILATION
『Screaming Fields Of Sonic Love』

DELUXE EDITION
『Dirty』

CICCONE YOUTH
『The Whitey Album』

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2004年06月10日 12:00

更新: 2004年06月10日 18:59

ソース: 『bounce』 254号(2004/5/25)

文/村尾 泰郎

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