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ジャケットが語る、ソニック・ユースのアート性 THE ART OF NOISE BAND

 バンド結成以前にキム・ゴードンが美術を学んでいたこともあってソニック・ユース(SY)とアートとの関係は深く、それがいちばんわかりやすい形で現れているのがジャケット・アートだ。例えば『Evol』のジャケはNYアンダーグラウンドの写真家/映像作家リチャード・カーンの映像作品からで、セックスと暴力のオブセッションに彩られたカーンの作風は初期SYにピッタリ。また『Goo』のイラストはブラック・フラッグなどのアートワークでも知られるパンク・シーンではお馴染みのイラストレイター、レイモンド・ペティボーンによるもの。彼とバンドの付き合いは長い。そして『Dirty』のジャケのヌイグルミ・アートは西海岸アート・シーンの異才マイク・ケリーによるもので、彼もキムとは古くからの知り合い。彼が結成していたデストロイ・オール・モンスターズはSYにも影響を与えていて、過去にはサーストンの自主レーベルから彼らの作品集をリリースしたことも。さらに『Daydream Nation』はドイツの画家ゲルハルト・リヒターの作品から。写真をもとにした独自の画風で知られる彼だが、SYはこうした巨匠へのリスペクトも欠かさない。バンド自体、自分たちのフライヤーやリリース・アイテムを全部保管していて、それをもとに展覧会を開催するなど、これからもバンドとアートの蜜月は続きそうだ。

▼文中に登場のアーティストによる代表的アートブックを紹介


リチャード・カーン「New York Girls」(Purr)


レイモンド・ペティボーン「Plots Laid Thick」(MAC BA)


デストロイ・オール・モンスターズ「Geisha This」(Book Beat Gallery)


ゲルハルト・リヒター「Gerhard Richter」(Museion)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2004年06月10日 12:00

更新: 2004年06月10日 18:59

ソース: 『bounce』 254号(2004/5/25)

文/遠山 明

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