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特集

ソニック・ユース・サウンドを支える、音楽的ルーツを検証 BLOOD OF SONIC SOUND

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2004年06月10日 12:00

更新: 2004年06月10日 18:59

ソース: 『bounce』 254号(2004/5/25)

文/北爪 啓之

 ソニック・ユースの構成因子はあまりにも膨大かつ繊細なため、電気メス片手にじっくり解剖してみないとその全貌は掴みかねるが、ここでは彼らのサウンドを構成する大きな骨子にのみ焦点を絞って話を進めよう。青白い鬼火のように冷徹でアーティスティックな感性は、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドに端を発するNY地下水脈の正統的嫡子の証。とはいえ(特にメジャー・デビュー前後の)八方破れなギター・ノイズの創出に血肉を傾ける姿勢は、意識の有無をべつにすれば60'sのガレージ・パンク勢でも始祖ソニックスに通じていたりもする。イカス特殊バンド天国、ドイツのシーンからはさらに深い影響を受けているようで、チッコーネ・ユース名義の作品ではノイ!の引用、カンのリミックス集への参加など、直接的なオマージュを捧げている。現代音楽との距離の置き方もカンと似ていてニヤリ。われらが日本勢に目を移せば、もはや影響というより共闘の同志が多い。ボアダムスをはじめ灰野敬二や非常階段といったジャパノイズの開拓者たちに、日本のアーティスト以上に敬意を払うサーストンという男こそ、真のラスト・サムライである。そんな彼のフリージャズ狂いも有名だが、近年のソニック・ユースは周囲の音楽家たちを巻き込んで、サン・ラーもビックリの壮大なノイズ宇宙曼陀羅を形成しつつある。最後に忘れちゃいけないのが、カーペンターズやビーチ・ボーイズら王道ポップスのトリビュート・アルバムへの参加。特に前者の“Superstar”の荒涼たるカヴァーには真の愛情を感じることができる。そういや90年のアルバム『Goo』には、カレン・カーペンターに捧げた曲もありましたなぁ。

▼文中に登場したアーティストの作品を紹介


サン・ラー・アーケストラの69年作『Space Is The Place』(Blue Thumb)

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