DAYS OF WILD
新世紀もプリンスはプリンスで在り続けるのか?
ハッキリ言って、このページ割り当てはおかしい……と自分で編集を担当しておいてナンだが、プリンスのキャリアは決して80年代のコマーシャルな大成功によってのみ飾られるものではないし、90年代以降のキャリアは軽んじていいものではない。そのなかでもさまざまな変遷や山や谷や穴ぼこがあったわけだし、91年から2004年までの歩みをひと括りで総括することなどできるわけがないんである。
てなことを予め了解いただいたうえで……惨敗に終わった映画「Graffiti Bridge」の諸々や〈Nude Tour〉を終えたプリンスは、91年初頭の〈Rock In Rio〉にて新バンドのニュー・パワー・ジェネレーション(以下NPG)をお披露目した。(スライ&ザ・ファミリー・ストーンのように)人種も性別もバラバラであることを主眼に作られたレヴォリューションとは異なり、NPGはよりヘヴィーでタイトで対応力のある演奏技術を求めて結成されたのではないだろうか。さらにパワフルなソウル・シンガーのロージー・ゲインズや3人のラッパー/ダンサーを正式メンバーとしたことは、プリンスがレヴォリューションの時以上にバンドのいちメンバーたることを重視しているように思えた。が、その編成での2枚目のアルバム〈ラヴ・シンボル〉を境にNPGは、メンバーを流動させながら、ふたたびバック・バンドとしての役割をまっとうしていくようになる。
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