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カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年05月07日 21:00

ソース: 『bounce』 253号(2004/4/25)

文/冨田 明宏

〈タバコ〉〈酒〉〈ドラッグ〉──これらで語られるエピソードの多くは、70年代の〈ロック激動期〉に誕生した。例えばタバコといえばこの2人、ギターのヘッドにタバコを挿すスタイルでお馴染みのエリック・クラプトン、咥えタバコでステージに立つキース・リチャーズ(ローリング・ストーンズ)。彼らはタバコによって〈アウトロー〉というスタイルの獲得に成功した。しかし、ハンブル・パイ時代に『Smokin'』という名作を残したスティーヴ・マリオットが、タバコの火の不始末で焼死したという、なんとも悲しい伝説も忘れてはならない。酒といえばボン・スコット(AC/DC)の〈ゲロによる窒息死〉も凄いが、泥酔状態でフーのドラマー・オーディションに向かい、いきなりドラムセットを破壊して合格を勝ち取ったキース・ムーンの伝説も負けてはいない。そのキース・ムーンをはじめ、ドラッグで落命するロックスターは多いが、ピンク・フロイドの『Dark Side Of The Moon』が10年間もビルボード・チャートに居座ることができたのは、ドラッグをキメる際のBGMとして一部のリスナーに長く聴かれていたため、という説もある……とまあ、ヘルシー指向の現在のミュージック・シーンでは信じがたいエピソードばかり。伝説が伝説たるゆえんなのですね。

▼文中に登場するアーティストのアルバムを一部紹介。


ハンブル・パイの72年作『Smokin'』(A&M)

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