つぎはアヴリル・ラヴィーンさんを迎えて、女性とロックの関係について学習しましょう。もち、男子は隣の教室に移動ですよ!
「子供のころからの夢だったの。何万人もの前で演奏できたらどんなに素晴らしいかって、いつも想像してた。だからって、有名になりたいというわけじゃないの。すべては音楽のため。音楽が大好きだから、音楽といっしょに歩みたいと思ってただけ」。
デビュー・アルバム『Let Go』を日本だけで200万枚、全世界で2,000万枚売り上げ、一躍新世代のポップ・イコンとなったアヴリル・ラヴィーン。こうして子供のころからの夢が叶えられたことに、彼女は運命を感じているという。
「だって、すべてのことがあまりにスムースに動いたから。レコード契約にしても、あたしから探しにいったんじゃなくて、向こうからあたしを見つけてくれたんだもの。LA・リードを紹介されて、スタジオにやってきたLAが、すぐその場で契約したいって言ってくれた。デモテープも作ってないし、ほかのレーベルも検討してない。運命だとしか思えないわ」。
鮮烈なデビューから早2年。つぎなるアクションに大きな注目が集まるなか、ついにニュー・アルバムが完成した。
「プレッシャー? そういうことに惑わされないよう努めたわ。とにかく音楽に集中すれば、プレッシャーなんかはねのけられると信じてたから。あまり余計なことは考えないようにしたの」。
タイトルは『Under My Skin』。つまり、よりアヴリル自身の内側、内面を反映した作品ということだろうか?
「そう、そのとおりよ!」。
意外なことに今回アヴリルは、マトリックスをはじめとする前作のプロデューサー陣を一新している。代わって起用されたのは、アワ・レディ・ピースのヴォーカリスト、レイン・メイダと、元マーヴェラス3で現在ソロのブッチ・ウォーカー、そしてパール・ジャムやリンキン・パークなどの作品で知られるドン・ギルモアの3人。またソングライティングでは、レインの妻でもあるシンガー・ソングライター、シャンタール・クレヴィアジックや、元エヴァネッセンスのギタリスト、ベン・ムーディらが参加している。
「一言で言えば、前作よりもっとダークで、もっとディープなアルバムにしたかったの。そのとおりになってると思うけど」。
本人が言うように、今作には陰影に富み、繊細さとダイナミックさを併せ持ったサウンドと、メランコリーを湛えた美しいメロディーが鮮やかに溶け合うドラマティックなナンバーが満載。アヴリルのヴォーカルも時に熱を帯び、時に切なく、時に優しく、時に力強くと、曲に込められたエモーションをリアルに描き出している。もちろん、キュートでガーリーなアヴリルも登場してくるのだけれど、〈女の子〉から〈女〉へ……まさにそんな印象だ。
「この2年で、少し大人になったあたしを感じてくれたら嬉しいな。曲の中にはシリアスなものもあるし、きっとどこかに共感してもらえる部分があると思うから」。
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