ロック・ムーヴィーのDVDはこんなにあるぞ! 復習を欠かさないこと!! (2)
『ベルベット・ゴールドマイン』
アミューズソフト(1998)
70'sロンドン、キラキラケバケバなルックスとシアトリカルなイメージで一世を風靡したグラム・ロック。ジギー・スターダスト&イギー・ポップをモデルに、80年代のジャーナリストの視点で語られる本作は、絢爛ド派手なファンタジーであると同時にゲイ/レズ文化を世界に拡めたグラム・ブームの真価を指し示す。サ-ストン・ムーアやマイケル・スタイプが参加したサントラは名盤!(山口)
『あの頃、ペニー・レインと』
ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(2000)
映画監督キャメロン・クロウが、天才ロック・クリティック少年だった頃の実体験を、〈架空のロック・バンド、スティルウォーターの全米ツアー同行記を「Rolling Stone」誌に寄稿する物語〉という按配にちょびっとアレンジして描いた映画。バンドのギタリストとその理解者である主人公、そして、もうひとりの主役=ケイト・ハドソン扮するグルーピー=ペニー・レインとの微妙な三角関係と、「スパイナル・タップ」に肉薄するバンドのインサイド・ストーリーが織りなす甘酸っぱい70年代のお話。失意のどん底にあるバンドがツアー・バスで合唱するエルトン・ジョン“Tiny Dancer”が白眉。(安田)
『スティル・クレイジー』
ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(1998)
過去に一世を風靡したバンド、ストレンジ・フルーツ。しかし、いまやショボくれた中年オヤジとなっていたメンバーが、70年代リヴァイヴァル・ブームを受けてふたたび立ち上がる! 夢を追いかける負け犬という構図はまさにロック。新加入した若いメンバーばかりがモテてオッサンたちがむくれるというのも、ロック。ジミー・ネイルがジミ~に出演してます。(村尾)
『ハイ・フィディリティ』
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント(2000)
常に自分の人生にとってのポップソングの意味を〈ベスト5〉の形で考えるレコード店店主に扮するジョン・キューザックはもちろん、娘のためにスティーヴィー・ワンダー〈心の愛〉を買いにきた男に毒づく店員に扮するジャック・ブラック(〈ロック学園〉の先生役と完璧にリンク!)を観ていて、自分を観ているとしか思えないお兄さんたちのために、この映画は存在する。(安田)
『ロック・スター』
ワーナー・ホーム・ビデオ(2001)
アマチュア・バンドから憧れのバンドのヴォーカリストに出世――というどこかにあったようなハードロック・サクセス・ストーリー。80'sハードロックの痛快なカッコよさとデタラメなショウビジネスの楽しさをアピールしつつ、バンドの首切り、恋人問題などシビアな現実描写が超リアル。ジェイソン・ボーナムやザック・ワイルドも参加したスティール・ドラゴンのライヴは興奮必至!(山口)
『プッシーキャッツ』
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント(2001)
スターになりたいなら飛行機事故かドラッグの過剰摂取で死ぬことを覚悟せよ! アニメの巨匠、ハンナ・バーベラの原作をもとにロック・バビロンの法則を逆手にとったポップなガールズ・バンド・エンターテイメント。音楽をベイビーフェイスやアダム・シュレシンガーらが手掛け、プッシーキャッツが奏でるオルタナ経由青春ギター・ポップのデキの良さにも注目!(山口)
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』
SPO(2002)
ドラッグクイーン、ヘドウィグのロックンロール波瀾万丈伝。元となった舞台同様、ジョン・キャメロン・ミッチェルが主演/脚本/監督を務め、〈ヘドウィグ、あんたロッカーよっ!〉とおひねりが飛んできそうな熱演ぶり。ボブ・モールドが参加したサントラも良いのですが、ヘドウィグがアジア人女性2人と最初に組んだバンドのカッコよさ! アルバム出してほしかったです。(村尾)
『24アワー・パーティー・ピープル』
メディアファクトリー(2002)
ジョイ・ディヴィジョン、ニュー・オーダー、ハッピー・マンデイズ……さびれた失業都市マンチェスターをロック&ダンス・ミュージックの聖地に再生させたレーベル、ファクトリーと、80~90'sの音楽史まで変えてしまった名物プロデューサー、トニー・ウィルソンのエッジな才能へのレクイエム。ロックでドラッギーな映像感覚とクリソツの域を越えたフェイク・ドキュメンタリーにシビレまくり!(山口)