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ここではロックを演奏するうえでの精神/たしなみを学びましょう! 講師はエイメンに在籍するケイシー・ケイオスさんです!!

 ロック・シーンの〈黒いカリスマ〉ケイシー・ケイオス率いるエイメンが、4年ぶりのアルバム『Death Before Musick』にて、地獄の淵から復活宣言! ケイシー兄さん、お久しぶりです!!

「本当、ゾッとするような長い歳月を掛けたよな。いわばこのアルバムは、俺の〈死のドキュメンタリー〉みたいなもんだよ(笑)」(ケイシー・ケイオス、ヴォーカル:以下同)。

〈Death(死)〉、そして〈Music(音楽)〉と〈Sick(病気)〉をタイトルにあしらったこの『Death Before Musick』。エイメンらしいパンキッシュでヘヴィーなサウンド、そして、まるで機関銃のようなケイシーのハイテンション・ヴォーカルはまさに〈死〉を予感させる切迫感に等しい。

「俺はただ自分が聴きたいと思うものを創り出しているだけさ。俺はエイメンというバンドを、予想がつくような簡単な存在にはしたくない。あらゆる嵐をくぐり抜けることで、バンドをより強く成長させていきたいんだ」。

 このアルバムに至るまでにケイシーが過ごした日々は、まさに〈ゾッとするような長い歳月〉だった。所属レーベルからの離脱、ケイシーを残した全メンバー脱退と、バンド存続の危機すら囁かれた。そんななかエイメンを、そして音楽を続けようと思った原動力となったものは?

「あれには本当に深く傷つけられた、忘れられないトラブルだね。でも俺はそこで逆に怒りを溜めこんで、生きることができた。大事なのは金とかなんかじゃない。俺は魂に宿る本当の豊かさを求めてるんだから」。

 また世間一般的には、エイメン=ケイシー・ケイオスというイメージが強い。ケイシーという個人ではなく、あえてエイメンというバンド・スタイルに固執しているのには、どういう理由があるのだろうか。

「確かに今回のアルバム制作の間、俺には〈バンド〉というものがなかった。俺はただドキュメンタリーのように、あるがままに自分の思いをテープに写し録っていただけだった。けれど、いまやエイメンはバンドなんだ。俺がメインのクリエイターだということは、偶然ってことになっちまったのさ(笑)。俺にとって、極めて純粋な行
動がとれる最高の手段、それがバンドなのさ」。

 ケイシーを中心にして純粋さを追求するバンド=エイメン。この世界においてもっともいびつでアグレッシヴなバンドは、己の身を削り、フェイクやトレンドを駆逐する〈死のドキュメンタリー〉を録り続けている。〈真のロック・ミュージック〉を生き写す彼らのフィルムは、いまふたたび回り始めた!

「流行は来ては去っていくし、常に旬のバンドというものがいるよな。でも結局は純粋な人々が生き残る。世界には偽者のバンドも多いけど、アンダーグラウンド・シーンに目を向けてみれば、素晴らしいバンドも大勢いる。そういうバンドが世界中で少しずつ衝撃を与えていけば、やがてそれが巨大な災害となって世界を終末に落とし入れるのさ(笑)」。

▼エイメンのアルバムを紹介。

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年04月28日 17:00

更新: 2004年05月07日 18:53

ソース: 『bounce』 253号(2004/4/25)

文/加賀 龍一

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