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1時間目 ロック・ヒストリー ――ここからは、bounceが誇る講師陣によるロックの授業がスタートです! これを読めば、映画「スクール・オブ・ロック」もさらに楽しめますぞ!! (2)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年04月28日 17:00

更新: 2004年05月07日 18:53

ソース: 『bounce』 253号(2004/4/25)

文/増田 勇一

さて、これまでを振り返ってみよう

 まず60年代。これはロックの可能性が芽吹いた時代。大地に可能性の種が蒔かれ、次の時代にどんなものが生まれてくるか見当がつかないながらも、ロックがロックとしてスタイルを築くためのさまざまな材料が奔放に交配を重ねた時代とは言えまいか。そんな時代の終盤、69年に開催された〈ウッドストック〉における、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリンからクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング、デビュー当時のサンタナまで、という出演ラインナップ自体、ロック確立期前夜を思わせる。

 で、60年代に自我を持ったロックは、実際、70年代に確立され、多様化への道を歩むわけである。それまで何でもかんでもロックで片づけられていたはずのものが、ハードロック、プログレッシヴ・ロック、グラム・ロック、フォーク・ロック……と分類されるようになり、77年頃には、そうしたロック全体がメインストリームとして一般化したことに反発するかのように、パンク・ロックが誕生している。

 そして80年代。すっかり多様化を極めたロックは、巨大産業へと姿を変える。音楽業界のシステム自体が未熟で、アーティストが無邪気なままでいた70年代と違い、この時代にはロックがカルチャーとしての意味合いよりもビジネスとして成立し得る可能性を追求した時代といえる。USの音楽シーンがラジオからMTV主導型へと移り変わった事実もまた象徴的だ。

 それから先の流れについては、もしかするとまだ定義付けるのは早すぎるかもしれない。が、少なくとも、かつて形骸化されつつあったロックにパンクが噛み付いたように、グランジ/オルタナが商業ロックに冷水をぶちまけ、細分化された末端ジャンル同士が異種交配を重ねながら火を放ち、ロック本来の刺激と芸術的コダワリを追求するようになった時代ではあったんじゃないだろうか。で、ある意味現在は、かつてのような〈どれもこれも単なるロックでいいはず〉という風潮に戻りつつあるような気がしないでもない。

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