こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

 ようこそ、映画「スクール・オブ・ロック」へ! この〈ロック学校〉、その校長を監督に例えるなら、教頭はさしずめ〈音楽コンサルタント〉とクレジットされるジム・オルークだろう。その教育過程の様子を「最初は、脚本に合った曲のアイデア出しだった。キース・ムーン・スタイルのドラムスとヴァン・ヘイレン風ギターでブラック・サバスの“Iron Man”を演奏したらどうだろう、とかね。出演する子供たちと曲が決まってからは、彼らのママたちとの付き合い方を探ったり……」と、笑いながら返してくれた彼ではあるが、教育方針は徹底した実地訓練。なにしろ、ほとんどすべて実際の子供たちの演奏が使用されているのだ。

 また、劇中でジャック・ブラック扮するデューイさながら、生徒に参考CDを渡すことも忘れなかった教頭。しかし、その中味がとんでもない!

「ジョーイ・ゲイドス・ジュニア(ギター)はローレン・マザケイン・コナーズがお気に入りだって! ほかにもレイ・ラッセルとかデレク・ベイリー、ヘンリー・カイザー、パトゥー、グラウンドホッグスを聴かせてみた(笑)。数学好きのロバート・ツァイ(キーボード)にはコンロン・ナンカロウを。なにごともまずは最初の一歩から、だよ!」。

 まったくもってジム・オルークらしいチョイスだが、子供たちにとっては相当なトラウマとなったに違いない(笑)。と、ここで教頭先生から注意事項が1点。

「間抜けなワイヤレスのヘッドフォン・マイクは使用禁止!」。

 さて、学校の外にあったロックを、教室の中で取り扱った「スクール・オブ・ロック」。そのジレンマのなか、偽らざる先生の心中は?

「学校なんてさぼってロックするのが正しいんだよ、ハハハ。学校の外こそロックのあるべき場所。……放課後に、宿題なんて忘れてさ!」。

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年04月28日 17:00

更新: 2004年05月07日 18:53

ソース: 『bounce』 253号(2004/4/25)

文/福田 教雄

インタビュー