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あくまでも王道のポップスを志向したジョージ、そのルーツにある音楽とは!? MUSICAL ROOTS OF THE GENIUS

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2004年04月22日 18:00

更新: 2004年04月22日 18:36

ソース: 『bounce』 252号(2004/3/25)

文/狛犬

 自身が優れたソングライターであるにも関わらず、ジョージはワム!時代から多くのアルバムにカヴァー曲を収録している。同時にアレンジ面においても彼の曲は〈元〉が非常にわかりやすい。ただ、それは意図的なものだろう。彼は〈オリジナリティーにはこだわらない。何かに似てても良い曲は良い曲なんだ〉と、よく考えるとスゴい発言も残しているのだから。ここではその〈源泉〉を簡単に確認しよう。

 まず挙げられるのがモータウンだ。ワム!の1作目でミラクルズの“Love Machine”を完コピ。テンプテーションズ“Papa Was A Rolling Stone”は90年代にシール“Killer”とのメドレーで歌われた。スティーヴィー・ワンダーに至っては、“They Won't Go When I Go”と“As”をそれぞれソロ2作目とベスト盤で、“I Believe”をライヴで披露するなど相当お気に入りの様子だ。また、黒人音楽の引用では『Make It Big』が凄い。アイズレー・ブラザーズ“If You Were There”のカヴァーはもちろん、“Credit Card Baby”ではH-D-H風の60'sモータウン・サウンドを模し、“Heartbeat”は時代を遡ってロネッツなどのフィル・スペクター系だ。ワム!のラスト作では80'sに戻り、ウォズ(ノット・ウォズ)の“Where Did Your Heart Go?”をカヴァー、プリンスの初模倣“Battlestations”もある。他にも初期のラップ曲はカーティス・ブロウの“Breaks”そのままだし、『Older』の“Fastlove”ではパトリース・ラッシェン“Forget Me Nots”を引用してもいる。

 一方でジョージは、特に90年代以降、より広い意味での英国ポップスを多く歌いはじめている。ソロ2作目ではローリング・ストーンズ“You Can't Always Get What You Want”を披露。カヴァー・アルバム『Songs From The Last Century』では30~50年代のスタンダードが並ぶなかにポリスの“Roxanne”を取り上げているのも興味深い。近年だとシングル“Freeek!”のカップリングにビートルズの“The Long And Winding Road”が……。とまあ、決してツウ好みじゃないベタなセンスである。が、その圧倒的なド真ん中志向こそが、逆にジョージの個性を生み出してきたのだ。

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