George Michael
神様は不公平……天は彼に何物も与えた。美しいメロディーを織り上げる力、自在に物語を描き出す類い希なノド、溢れんばかりのセックス・アピールをふりまく男としてのフェロモン……。史上最強のポップ・アイドル、ワム!での成功を皮切りに、彼は栄光の道を歩んできた。軋轢に心を痛め、宿命に弄されようと、その才能は決して衰えない!! このたび8年ぶりのニュー・アルバムを届けてくれた彼──ジョージ・マイケルの魅力をたっぷり味わってみよう!!
ひとことで言って、ジョージ・マイケルはポップ・ミュージック史上屈指の天才である。まず、彼のソングライターとしての図抜けた才は疑いないだろう。デビュー前、17歳の時点で書き上げた“Careless Whisper”をはじめ、彼のペンによるメロディーは常に普遍的な魅力を有しており、時としてジョージ本人の唇を容易に離れていってしまいさえする。が、ジョージが持つもうひとつの才=ヴォーカリストとしての天分がそうはさせない。ここ日本でも世代を超えてポピュラリティーを得ている“Last Christmas”の、あの同じメロディーを延々繰り返すだけの単純な展開に起伏を与えられるのは彼だけだろう。かようにソングライター/シンガーとしての完璧な才能に加えて、ジョージには希有なグッド・ルッキングがある。それは時として彼が軽んじられる原因でもあったりするのだが、そんな天賦の才を衒いなく(本来の意味での)ポップ・ミュージックに捧げたところに彼の凄まじさがあるのではないだろうか。
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