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カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年03月11日 18:00

ソース: 『bounce』 251号(2004/2/25)

俺たちの素晴らしいところは……

 その言葉どおり、ムーディーマンのムードがモロに反映されたファースト・ソロEP『Bassmentality』の登場は2002年、アルバムの制作はその頃から始まっていた。

「後にアルバムを作るであろうということを意識しながら、1曲ずつ制作していったんだ。一貫性のあるものにしたかったんだよ。アルバムをひとつのまとまりのある作品として仕上げることは大切だった。でも、時には何も意識しないで作曲してたな。自分がどんなサウンドを求めてるのか、頭のなかではわかってたからね」。

 そんな絵図に沿って『Waltz Of A Ghetto Fly』に集められたのは、兄のバブズに息子や姪といったフィドラー一家、ジョージ・クリントン、ムーディーマン、ジョン・アーノルド、さらにラクシディジカル(ラックス)、ロン・ライト、アニータ・ライト、コートニー・ジャクソン、そしてJ・ディラにラファエル・サディーク……と非地元勢も含めて興味深い名前ばかりだ。

「有名な人を起用してるわけじゃなくて、何年も前からいっしょに仕事してる人たちに参加してもらったんだ。ディラはずっと知り合いで、アルバムのためにトラックが欲しいって前から頼んでたんだよね」。

 現在はコートニー・ジャクソンの作品や自身の新曲を制作中で、ムーディーマンらとツアーする計画もあるというアンプ。そんな彼の目に、あまりにも豊富な才能がひしめいている現在のデトロイトはどのように映っているのだろうか。前回の本誌デトロイト特集でドゥウェレは「俺たちは〈ニュー・モータウン〉なのさ!」と宣言してくれたものだが……。

「その言葉は素晴らしいね。彼に同意するよ。この分野では俺たちが未来なわけだし、クリエイティヴなことをやろうとしてる。それに、俺たちは各々が独自のサウンドを持っている。俺はドゥウェレに似てないし、彼はジョン・アーノルドには似てない。俺はジョンの作品で歌ってるけど、俺の作品と彼の作品はまったく違うんだ。それがデトロイトの新世代の素晴らしいところさ。俺たちはネクスト・レヴェルなサウンドをめざして、互いにインスピレーションを与え合っているんだ」。

 デトロイトの音楽宇宙はどんどん拡がっている。末恐ろしくも素敵な予感の連続に興奮は当分収まりそうもない。

▼『Waltz Of A Ghetto Fly』に参加したアーティストの作品を一部紹介

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