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特集

耳で聴いたピープル・トゥリー(2)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2004年03月04日 11:00

更新: 2004年03月04日 16:07

ソース: 『bounce』 251号(2004/2/25)

小泉今日子 『bambinater』 ビクター/1992


  〈KOIZUMIX PRODUCTION〉と銘打って、さまざまなアーティストと旬なコラボレーションを繰り広げていたKYON2。ちょっと欲ばり過ぎたかな?ってな具合に、本作の作家陣には小西康陽、田島貴男らとともに小山田圭吾をご指名。そういえば、小沢健二はJR東日本のTVCMでKYON2と共演してましたね。(久保田)

Qypthone『Montuno no.5』 Happiness/2003

  サンプリングを駆使したトラックには、ボサノヴァをはじめ膨大な情報量が蓄積されているが、それをサラリと軽やかに聴かせる屈託のなさゆえに、クラブ・シーンを含めた現在の若手のなかでも正統的な後継者と言えるかも。某TVCMで中塚武が“恋とマシンガン”を見事なまでに完コピしてみせたのは伊達じゃない。(駒井)

ZAZEN BOYS 『ZAZEN BOYS』 MATSURI STUDIO/2004

  フリッパーズが嗜好していたのものは、音楽以外でも話題になったものです。サブ・カルチャーを巻き込むミュージシャンも近ごろ少なくなってきましたが、そんななかで向井秀徳。映画、アイドル、グルメ(ラーメン)……彼の言葉で動かされた人、(たぶん)多いはず。おかげで私は、小倉優子の良さがわかりました。(久保田)

カヒミ・カリィ『My First Karie』 トラットリア/1995


  本作以降の90年代後半、クルーエルとトラットリアを往復しながら刺激的な作品を連発した彼女には〈メジャー〉や〈インディー〉という概念が遊び道具にでもなったかのような軽やかさがあった。もちろんいまも小山田圭吾、モーマス、小西康陽、神田朋樹などのクリエイターを魅了する小悪魔であることは変わりない。(内田)

GREAT 3『Richmond High』 東芝EMI/1995


  ヴァイナル・ジャンキーとプレイヤー的資質の邂逅。ヒリヒリとした青春の痛みを描き出すリリック。パンク精神と蒼さがナイマゼになり、匂いたつかのごときナイーヴな感性がソフト・ロックへの偏愛とともに溶けていく。フリッパーズの〈Anarchic Romanticism Of Youth〉を精神的に継承した偉大な3人組。(駒井)

ムーンライダーズ 『NOUVELES VAGUES』 クラウン/1978


  音楽以外のもの、例えば映画や文学をアルバム・コンセプトにするモダンさを、フリッパーズはこのバンドから学んだのだろうか。東京で生まれたトリヴィアに満ちたシティー・ポップ。“マイ・ネイム・イズ・ジャック”の〈解釈〉はいま聴いてもハイカラ。“ドッグ・ソング”とか“いとこ同志”とか、小粋な曲多し。(ロビ太)

渡辺満里奈 『ベスト・コレクション』 ソニー

  〈アイドルをさがせ!〉のときから好きでした!……なんていう僕でさえ、彼女の楽曲には(“マリーナの夏”以外)不満でしたが、フリッパーズ作のシングル“大好きなシャツ(1990旅行作戦)”で俄然燃えました! ともあれ、フリッパーズとの出会いがなかったら、彼女は〈素敵な三十代〉になってなかったと思います。(久保田)

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