フリージャズ愛好家の方々からラヴレターがこんなに!!
川口賢太郎(54-71)
音楽的知識と肉体性を極限まで突き詰めたバカ野郎の音楽です。この音楽が60年代にシーンの片隅で産まれたときは公民権運動やなんやで社会性云々という話もありますが、そんなことを取っ払ったところで凄いんです。ジャンル門外漢の方には、楽器を演奏できないやつがムチャクチャやってるとか、子供でもできるんじゃ?などと思われるようですが、そんなことありません。やってみればわかります。僕はできません。音楽的に選ばれた人間にしかできないハードコア・パンクです。
ECD
これはいいのか? 良くないのか? その判断をくだすことで自分自身が試される。で、結局、判断の基準は録音された最初の一音。それにピンとくれば最後まで聴けます。なので試聴機でフリージャズが聴けるのはありがたいことです。コレ(↓のコラムでどうぞ)はそうやって出会った一枚です。
坂口修一郎(Double Famous)
フリージャズという名前でカテゴライズされてしまっているような音楽から聴こえてくるのは、リズムとメロディーが崩壊寸前でバランスを保つスリリングな綱渡り。ギリギリのテンションで境界線を乗り越えようとする意志の音。なにをやってもよいという制約のなかで行われているのは、自由な耳には優しく、牧歌的なハーモニーを届ける仕掛け。言語化される以前の記憶から汲み出される音は、時間を越えてシンクロし、共鳴を続けている。
みなさんのオススメ盤も訊いてみましたよ
まず、54-71の川口賢太郎が挙げてくれたのが、韓国の伝統音楽を収録した『豊漁の祭儀 ~東海岸別神クッ』。「とにかくリズムがもの凄くて、そこにフリージャズを感じるんです。サックスやトランペットのようにしか聞こえない、得体の知れない音が入ってます」とこの作品について話してくれました。また、ECDが挙げてくれたのはアルバート・アイラーの69年作『Music Is The Healing Force Of The Universe』で、こちらはアイラー最晩年の傑作。Double Famousの坂口修一郎はドン・チェリーの75年作『Brown Rice』をセレクト。ドン・チェリーについては「真にフリーな人生を送ったトランぺッター」とのこと。(編集部)