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特集

スピリチュアル・ジャズの旅路をプレイバック!!

1960年~

JOHN COLTRANE
『Giant Steps』
 Atlantic(1959)

  怒濤の60年代を前にしてジョン・コルトレーンが残した大きな一歩。この時点ではバップに肝を置いているものの、すべての空間を埋めようとするかのごとく一気呵成に吹き出されるアドリブが、テクニックの範疇を超えて聴き手を捉える。神秘的な名曲“Naima”も感動的。(田辺)

JOHN COLTRANE
『A Love Supreme』
 Impulse(1964)

  承認、決意、追求、賛美。4つのテーマから構成された今作は、コルトレーンが独自の尺度、独自の視点から人間の根幹を成すべき〈愛〉を歌いあげる、60年代ジャズの重要作。心の深層から絞り出されるようなテナー・サックスが、喜怒哀楽、すべての感情を曝け出している。(田辺)

SUN RA ARKESTRA
『Space Is The Place』
 Blue Thumb(1969)

  ジャズ、ブルース、そしてアフリカ、エジプトを経由して宇宙へ! 驚くほどに自由奔放な60年代末~70年代のサン・ラーの姿を捉えた名作。サン・ラーの座右の銘から名付けられたタイトル曲以下、猥雑なエネルギーを荘厳な域にまで昇華させた、唯一無二の音の世界に誘われる。(田辺)

CHIVO BORRARO
『Blues Para Un Cosmonauta』
 What Music(1973)


  〈南米のコルトレーン〉ことチボ・ボラロによる、その名も〈宇宙飛行士のためのブルース〉と銘打たれた名盤。12弦ギターのアルペジオがアンデス風の雰囲気を醸しながら、スケールの大きなサウンドを構築。独特のコルトレーン解釈が衝撃的だ。(田辺)

1970年~

LONNIE LISTON SMITH & THE COSMIC ECHOES
『Cosmic Funk』
 RCA VICTOR/BMG France(1974)

  ロニー・リストン・スミスの代表作。めくるめくビートに流麗なキーボード、パワフルなヴォーカルがひたすらにグルーヴィー&スペイシー。ジョン・コルトレーン“Naima”、ウェイン・ショーター“Footprints”の好カヴァーも聴きどころ。(田辺)

DAVE LIEBMAN
『Drum Ode』
 ECM(1975)

  今作発表当時、マイルス・デイヴィス・バンドに在籍中のサックス奏者、デイヴ・リーブマンがECMに吹き込んだ名作。コンガ、タブラなどさまざまなパーカッションが織りなすカラフルなリズムの饗宴をバックに、魅惑的なサックスが高らかに、そしてパワフルに歌い上げる。(田辺)

1980年~

BYRON MORRIS & UNITY
『Vibrations, Themes & Serenades』
 Celeste(1978)

  現在もワシントンDCで活動を続けるアルト・サックス奏者、バイロン・モリスの78年作。ジョン・コルトレーン、ファラオ・サンダース、そしてローランド・カークを追いつつも、鮮やかなスキャット・ヴォーカル、隠し味のブラジリアン・テイストが異彩を放っている。(田辺)

1990年~

JOE CRAUSELL
『Music... A Reason To Celebrate』
 Music Theory(2001)

  スピリチュアル・ジャズの種は21世紀にまで辿り着いた。その萌芽はジョー・クラウゼルのスピリチュアルなハウス・ミュージックのなかにも見つけることができるはず。彼のセレクトによるこのコンピには、それを証明するようにスタンリー・カウエル“Tring To Find Way”を収録。(金山)

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2004年02月12日 14:00

更新: 2004年02月12日 17:59

ソース: 『bounce』 248号(2003/10/25)

文/金山 敦、田辺 有朋

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