耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
CAMILLE
『Le Sac Des Filles』 Source/Virgin France/2002
フランスから登場したリッキーズ・チルドレン。リッキーに影響されたと公言する彼女の歌は、力強い反面、どこか無防備な儚さもあって。そして、そのキュートなルックスに隠されたキラリと光る知性――なんて書いてると、まさにリッキーのDNAが伝わってくるよう。これからどんなレディーになるんでしょ。(村尾)
SUZANNE VEGA
『Solitude Standing』 A&M/1987
美人で知的で、ちょっと危なげな匂いもするといったクールな魅力を持つシンガー・ソングライター。70年代を代表するのがリッキーなら80年代はスザンヌ・ヴェガ。LAとNY、都市は違えど、2人とも街角のちょっとした出来事をスケッチするような歌詞に見られる短編小説家的資質(=ビートニク感覚)を持ってますね。(ジョビン)
Aunt Sally
『Aunt Sally』 UNDO/1979
まずはジャケを確認。鳥打ち帽、俯き加減のポーズ。まさしくリッキーのデビュー盤を彷彿させます。のちにPhewと名乗る少女が世に問うた、こちらもデビュー盤。日本のインディー・シーンを代表する名作として今も語り継がれる本作に込められた怒れる少女の横顔、その稟とした佇まいはリッキーに負けないイイ顔。(村尾)
ELVIS COSTELLO
『North Univarsal』 Classic/2003
近い話で言えば、共にダン・ヒックスの復帰作に参加しておられて。この直球ジャズ・アルバムを聴いていると、瞼に浮かぶ黄昏色の景色にリッキー的世界との近似を感じちゃったりしたもの。いい歳の取り方しているお2人。そういや共に“Smile”に挑戦したりしてるね。あ、“My Funny Valentine”もか。(桑原)
ハナレグミ
『日々のあわ』 東芝EMI/2003
男リッキー・リー・ジョーンズ、永積タカシ。ナニ風だかうまく言い当てられないけど、両者の歌からは心地良い風が吹いてくる。リッキー愛を顕わにする彼の新作は、アコースティック・ギターの音から発せられる黄昏の色合いが素晴らしすぎて、毎晩枕の近くに呼び寄せてしまう。子守唄が似合うシンガーと言える2人。(桑原)
THE BLUE NILE
『A Walk Across The Rooftops』 Virgin/1984
ブルーに煙るディズニーランド。暗黒の総合商社の3人。リッキーとポール・ブギャナンのデュエットによる珠玉のバラード“Easter Parade”は俺の宝物。浮遊感ありすぎの彼らのサウンドとリッキーのこれまた漂うような歌のキラキラしたマッチングは、一種の毒性があって聴けば危険な状態に陥ることしばしば。(桑原)
VONDA SHEPARD
『Chinatown』 Jacket/2003
「アリー・myラブ」の主題歌のみならず、劇中に歌手役としても登場したヴォンダ・シェパード。彼女は、知的で美貌の持ち主でありながら親しみやすいといった主人公アリーのモデルでもあるという。そんなヴォンダはリッキーのバック・コーラス出身。〈リッキー→ヴォンダ→アリー〉なんてラインも見えてきます。(ジョビン)
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