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特集

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2003年12月25日 11:00

更新: 2003年12月25日 19:18

ソース: 『bounce』 250号(2003/12/25)

文/押塚 岳大、西岡 孝倫

 年々あらゆる音楽ジャンルを分け隔てなく採り入れてしまうアーティストが増え、同時に幅広い音楽性を持った作品がリスナーからの支持を集めている今日このごろ。2003年はそんな現象が顕著に現れた年でした。なかでもRHファクターのヒットをはじめ、R&Bやヒップホップを採り入れたアーティストが多かったのも2003年の特徴。一方では、ますます評価が高まるリチャード・ボナの人気から彼のようなマルチな才能を持ったミュージシャンに対しての注目度の高さも窺える。どのジャンルにも収まりきれないノンジャンル=ジャズな時代が来たか!?(西岡)

THE CRUSADERS 『Rural Renewal』 ビデオアーツ

  オリジナル・メンバーとしては11年ぶりとなるクルセイダーズの再結成盤。70年代を代表するクロスオーヴァー・バンドが久々に放ったパワフルなサウンドは、ファンの期待を遥かに超えて全盛期をも彷佛とさせるものであった。まさに十字軍の完全復活作品。(西岡)

MATTHEW SHIPP 『Equilibrium』 Thirsty Ear

  フリージャズとエレクトロニクスを融合させる試みは2003年どれだけの実を結べたか。アンチポップ・コンソーティアムらと共に見つめたその先は? シーンの劇薬〈ブルー・シリーズ〉主宰にしてフリージャズ・ピアニスト、マシュー・シップの本作が鍵か。(押塚)

THE BAD PLUS 『These Are The Vistas』 Columbia

  〈もっともラウドなピアノ・トリオ〉として日本にも押し寄せた、バッド・プラスという名の大きな波。ニルヴァーナのカヴァーに象徴される、ただのジャズ・ロックに終わらないラウドなグルーヴ、そしてジャズのリリシズムとの共存サウンドが音楽界を唸らせた。(押塚)

Ann Sally 『moon dance』 ビデオアーツ

  いま一番ミネラル・ウォーターのTVCMに出てほしいのがこの人、Ann Sally。爽やかで澄みきった彼女の歌声はCMイメージにピッタリでしょ? 2003年は2枚のニュー・アルバムを同時リリースし、最後にはライヴ盤まで届けてくれるという活躍ぶり。2004年こそはCM出演か……!?(西岡)

NOTE MANOUCHE 『Note Manouche』 VIVO/PLANKTON

  2003年のマヌーシュ(ジプシー)・スウィング旋風はスゴかった。ジャズ売場のジャンゴ・ラインハルト・コーナーが初めてジャズを求める人で賑わい続け、エスプリと土着の同居する独自のサウンドが全世界を魅了した。本作も含め、これからはいつもアナタの傍に。(押塚)

THE RH FACTOR 『Hard Groove』 Verve

  ロイ・ハーグローヴを中心にしたプロジェクト、RHファクターが、Q・ティップ、ディアンジェロらをゲストに迎えて放ったR&B色の濃い一枚。70年代ソウルやヒップホップの要素も採り入れたそのサウンドは、2003年のジャズ・シーンを象徴するものでもありました。(西岡)

LIZZ WRIGHT 『Salt』 Verve

  〈オーガニック〉という言葉がよく使われた2003年のジャズ・シーンですが、このリズ・ライトもまさにオーガニックな魅力でブレイクしたヴォーカリストのひとり。ニュー・ソウル系のシルキーでソウルフルな歌声とフォーキーなサウンドがジャズの枠を超えて多くのリスナーの心を掴んだ。(西岡)

渡辺香津美 『New Electric Trio Mo' Bop』 イーストワークス

  2003年の初め〈Electric Trioがヤバいメンツで出るらしい〉って噂を耳にした。前作のソロ・パフォーマンス以上があるか?という思いがあったものの、このリチャード・ボナ&オラシオ・エルナンデスとの超ド級パワー・トリオはスゴ過ぎた。躍進するカヅミを見た1年。(押塚)

JACO PASTORIUS BIG BAND 『Word Of Mouth Revisted』 Heads Up

  作曲家としてのジャコ・パストリアスに焦点を当て、マーカス・ミラー他10人の凄腕ベーシストが参加したトリビュート盤。バカテクに陥らずに、ジャコが作り上げたアンサンブルの美しさやグルーヴを大切にした内容は多くのジャズ・ファンを魅了した。(西岡)

RICHARD BONA 『Munia -The Tale』 Verve

  2003年もっとも活躍したベーシストは誰か? それはリチャード・ボナ。ジョージ・ベンソン、マイク・スターン、渡辺香津美などなど。さまざまなカタチで、強力にサウンドを支配していました。今作はボナの2003年の総決算ともいうべき、ジャズ~アフロ・ポップの超大作。(押塚)

DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN 『Structure et force』 Pヴァイン

  夏フェス、クラブを制圧した彼らがもたらした功績のデカさを明確にした2作目。トリックかけまくりのポリリズムを〈モノ足りない〉と言わせた聴取レヴェルの引き上げは、精巧なリズム、アンサンブルの妙を極上ファンクで聴かせた菊地の陰謀か。(押塚)

GEORGE BENSON 『Irreplaceable』 GRP

  歌うギタリスト、ジョージ・ベンソンの3年ぶりとなるニュー・アルバムは、歌もの中心の完全なR&Bアルバム。R&B界の売れっ子プロデューサーであるジュシュア・トンプソンを迎え、現在のメジャー・シーンの状況も確実に把握した音作りには脱帽。これがプロのお仕事です。(西岡)

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