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特集

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2003年12月25日 11:00

更新: 2003年12月25日 19:18

ソース: 『bounce』 250号(2003/12/25)

文/小樋山 仁、佐々木 俊広、篠原 裕治、本橋 卓曇

ABDUL TEE-JAY 『Palm Wine A Go-Go』 リスペクト

  2003年はパームワイン・ミュージックを聴く機会が多かった。貴重盤もリイシューされたが、このアブドゥル・ティー・ジェイの新録作品も最高に気持ちいい一枚だった。時を同じくしてカリプソが再発見されたのも、根っこの部分では繋がっていた気が。(篠原)

PANJABI MC 『The Album』 Darma

  実に10年ぶりにバングラ・ビートが世界的に大流行した2003年。なかでもジェイ・Zによるリミックスなどの話題性もあって大活躍したのがこの人だ。インド・パンジャブ地方の芸能とダンス・ミュージックの融合云々抜きに、〈極上エスノ音楽〉として楽しむのが正解。(佐々木)

THALIA 『Thalia』 Virgin

  ファット・ジョーをフィーチャーした大ヒット・チューン “I Want You”を収録した、メキシコの歌姫タリアの10作目にして初のイングリッシュ・アルバム。この作品でタリアはジェニファー・ロペスをも凌ぐほどの勢いでラテン・ポップスのニュースターの座にのし上がっていった。(本橋)

CAFE TACVBA 『Cuatro Caminos』 MCA

  メキシコの変態インテリ・ストリート・バンド、カフェ・タクーバ。このアルバムでは99年作『Reves/Yosoy』でのエクスペリメンタルなサウンドから一転、わりとストレートなロックを聴かせている。とはいえ、独特の魅力を持った爬虫類系の高音ヴォーカルは健在。(本橋)

SHARON SHANNON & FRIENDS 『Libertango』 Grange Court

  日本でもすっかり定着したケルト音楽。2003年もルナサ、ダーヴィッシュ、キーラなど実力派たちが力作を発表してくれたが、楽しさという点ではやっぱりシャロン・シャノンがいちばん。気心の知れた仲間たちとのセッションに心が弾む。(篠原)

CHAMBAO 『Endorfinas En La Mente』 Sony Spain

  スペインから登場したニューフェイス。〈フラメンコ・チル〉という呼び名のとおり、フラメンコ的なサウンドとモダンなアンビエント~エレクトロニック・サウンドをミックスさせたユニークなスタイルを展開した。だが、機械的な冷たさを感じさせないあたりも素晴らしい。(小樋山)

MARIA RITA 『Maria Rita』 WEA

  一時期に比べると強力な新人も少なくなってきた感もあるブラジル音楽シーン。そんななかで、マリア・ヒタのデビュー・アルバムの登場は久々の事件だった。母であるエリス・レジーナ譲りの天性の声、そして飽きのこないオーソドックスなサウンド・プロダクションも好印象だ。(篠原)

女子十二楽坊 『Beautiful Energy』 プラティア

  紅白出場、武道館単独公演などなど年末年始も大忙しの中国発バカテク12人娘。二胡や琵琶、楊琴、竹笛を用いての中華系ヒーリング・サウンドはブームを通り越して社会現象にまでなりました。SMAPなどのJ-Popナンバーのカヴァーも珍味なり。(佐々木)

ROKIA TRAORE 『Bawmboi』 Indigo

  アフリカ音楽は前年に引き続いてなかなかの活況をみせた。とはいえ相変わらずヴェテランの活躍が目立った1年ではあったが、本作は新世代の面目躍如たる傑作。ちょっとマジメすぎる気がしないでもないが、アフリカ音楽という枠を超えて語られるべき作品だと思う。(篠原)

KEREN ANN 『Not Going Anywhere』 Capitol/EMI France

  かのアンリ・サルヴァドールが〈10年にひとり出るか出ないかの逸材〉と褒めちぎったといわれるシャントゥーズの3作目。初の英語詞アルバムということで、これから広いファン層を獲得していきそうな予感もアリ。2004年の動向にも要注目です。(本橋)

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