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特集

カテゴリ : スペシャル

掲載: 2003年12月25日 11:00

更新: 2003年12月25日 19:18

ソース: 『bounce』 250号(2003/12/25)

文/内田 暁男、小野田 雄、久保田 泰平、駒井 憲嗣、土屋 恵介

スパルタローカルズ 『セコンドファンファーレ』 ユニバーサルJ

  打っても響かない凸凹ロック。そこには勝ち負けもなく、ましてや用意された道もない。その有りようこそ、ニューウェイヴだとか思いつつも、本人たちはどこ吹く風。というか風すら吹いていないような……。そんな真空状態から本作は生まれた。(小野田)

54-71 『true man of non-doing』 BMGファンハウス

  ロウな、あまりにロウなマスターピース。録り音に尋常ではないこだわりを持つ彼らだけに、ボブ・ウェストンとソーマ・スタジオというファイン・アンサーを得た本作は、どこまでも生々しく、低音が効きまくっているだけでなく、音楽としても〈解放〉へと向かわせた。(小野田)

Hawaiian 6 『ACROSS THE ENDING』 PIZZA OF DEATH

  2002年のフル・アルバム『SOULS』のヒットを経て、さらにこのミニ・アルバムで大ブレイクを果たした彼ら。前作同様、プロデュースは横山健。バンド・アンサンブル、歌心をくすぐるキャッチーなメロディー、コーラスワークなど確実に成長、リスナーを唸らせた。(土屋)

クラムボン 『imagination』 コロムビア

  バンドの結束が自由度の高さを誘引し、初めて英語詞に挑戦するといった新境地を多数垣間見せながら、小淵沢の自然が呼び寄せるオーガニックなムードがレコーディングの逡巡の過程をダイレクトに伝えてくれた。時間・空間・人間……を巡る想像力の冒険。(駒井)

bloodthirsty butchers 『green on red』 コロムビア

  年初のスタジオ作発表後、田渕ひさ子の正式加入により、黄金のトライアングルに呆気なく別れを告げた彼ら。それは同時に、有刺鉄線に囲われたリングで行われるバトル・ロワイヤルの始まりであり、そこで流れる血は変わらず赤い。青の時代から緑の時代へ彼らは進む。(小野田)

THE BACK HORN 『イキルサイノウ』 スピードスター

  やっぱり、ロックが日常に負けてちゃいけないわけです……と、本人たちが思っているかどうかはさておいて、アルバム・タイトルは、力強さとポップさを兼ね備えた本作の音、その粒子一粒一粒に込められた〈生き残っていくという意志〉を見事に言い当てている。(小野田)

モーサム・トーンベンダー  『TRIGGER HAPPY』 クアトロ/UK DISCS

  強力なライヴをCDでも再現、という彼らの基本理念から真逆の発想で制作したアルバム。ループするビートにサックスのブロウ! モーサムの概念を飛び越えた音が狂い咲く。ニューウェイヴ・リヴァイヴァルの最中、偶発的に生まれた劇的なロックここにあり。(土屋)

Polaris 『Family』 Familysong/ポリスター

  ふわふわと浮遊させない、飛ばさない。しっかりと地に足を付けつつ、しかし、想像力はどこまでも。クラムボン、そしてハナレグミの最新作同様、起点となる〈生活と音楽の関係性〉を模索した本作は、ダブ云々という枠を超え、なんとも素敵な音楽になりました。(小野田)

忌野清志郎 『KING』 ユニバーサルJ』

  外道、THE MODS、ROCK'N'ROLL GYPSIES、Charなど、ヴェテラン・アーティストの秀作が多かった2003年ですが、なかでもいちばんさりげなく〈良かった~〉のが清志郎。おらおら!と若手を押しのける勢いの様というより、そっちのけで楽しんじゃってる姿がえらく眩しかった。(久保田)

ART-SCHOOL 『LOVE/HATE』 東芝EMI

  〈LOVE〉そして対極にある〈HATE〉。そんな二元論では割り切れない〈/〉の部分に、彼らの色彩豊かな世界がある。それは落伍者にとっての安住の地であり、そこで鳴らされるノイズには〈安らぎ〉さえ漂う。なお、4人での活動は終了したが、芸術学校は続く。(小野田)

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