Britney Spears
「これが私なりのポップ・ミュージック。ネクスト・レヴェルに進んだポップ・ミュージックなのよ」
ネプチューンズやロドニー・ジャーキンスをプロデューサーに迎えて、それまでのティーン・ポップとは大きく異なる方向性を打ち出した前作『Britney』。しかし、その中の1曲“I'm Not A Girl, Not Yet A Woman”で歌われているとおり、当時のブリトニーは〈もう少女ではないけれど、一人前の女性というわけでもない〉という、19歳の女の子ならではの微妙な位置にいた。音楽的にも、ネプチューンズのプロデュースによる“I'm A Slave 4 U”のようなきわどいダンス・ナンバーもあれば、ティーン・ポップの大立て者、マックス・マーティンのポップ・ソングもある……というように、どっち付かずな曖昧なところがあり、それがまた思わせぶりな魅力になっていたのも事実だった。しかし、あれから2年。ブリトニーは大きく変わった。
ニュー・アルバム『In The Zone』!!
「完全に女になったか? そうねぇ、もう一人前の女性としての潜在力はちゃんと備わってるって気はするんだけど……。まだまだ大人にならなきゃいけないところがたくさんあるって思うわぁ」。
そう言ってキャハハ……と明るい笑い声を上げる彼女は、相変わらず少女っぽい愛らしさでいっぱいだが、4作目となるアルバム『In The Zone』には、グッと大人っぽくて、危険な香りを漂わせた、確実に今までとは違うブリトニーがいる。
「意識的にイメージを変えようとかしたわけじゃないの。だけど、人間って自然に変わるものでしょ? 最初は未経験だったけど、こういう世界にいれば人間としてずいぶん成長していくわけ。自分という人間そのものに刺激を受けるって言ったらいいのかな。それで音楽もおのずと変化していくんだと思うわ」。
最近の写真などを見ると、かなりセクシーになってるって気がするんですけど。
「そうね、アルバムはぐっとセクシーになってるし、今まででいちばん大胆だと思う」。
あなた自身はどう? 自分がグッとセクシーになったって思いません?
「まっさかぁ! 私はセクシーになんてなってないわ。前よりセクシーじゃなくなっちゃったくらいよ。フフフ……(笑)」。
このナゾの笑いの意味は、みなさん勝手に解釈してください。最新作を聴いて、さぞかし色っぽいグラマラスな妖婦であろうと思って本人に会った人は、かなり面食らうかも。素顔の彼女は普通の21歳の女の子と同じくらいにセクシーで、同じくらいに子供っぽいのだ。アルバムでかなり大胆な内容を歌っていても、いやらしさがなく健全に聞こえるのは、そんな彼女のパーソナリティーゆえだろう。とはいえ、もちろん音楽的な変化については彼女自身も自信を持って認めているところだ。
「違う方向に進みたいっていう気持ちがあったのはわかってたの。だから、時間をかけて、自分が本当に進みたいのはどういう方向なのかちゃんとハッキリさせようとしたわけ」。
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