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カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2003年11月20日 13:00

更新: 2003年11月20日 17:33

ソース: 『bounce』 248号(2003/10/25)

文/田中 拓宏

エモーショナル・パンクから派生した〈スクリーモ〉という名のシーン。その先陣を切るサーズデイ、彼らのニュー・アルバムが世界を駆け抜ける!


「僕は〈ハードコア〉っていうのは、常に実験的なものであるべきだと思っていて、自分の理想とするサウンドを情熱を持って追究しているかぎり、それは〈ハードコア〉だと思うんだ。だから最初は〈スクリーモ〉ってジョークかと思ってた。でもみんなが僕らのことをそう呼ぶからおもしろいよね(笑)」(ジェフ・リックリー、ヴォーカル:以下同)。

 本人の意識に反し、いまやスクリーモ・シーンの旗手となったサーズデイ。インディーから2枚のアルバム・リリースを経て、メジャー・デビューとなったニュー・アルバム『War All The Time』。時を同じくして、同郷ニュージャージー出身のバンド、セイブス・ザ・デイも大ブレイク中。この街には何か秘密でも?

「アメリカ国内では、ニュージャージーのシーンがもっとも良質だと思う。お互いのサポートは欠かさないし、シアトルのようにジャンルで分けられてもいないから、みんなが一つのシーンの一端を担っている感じなんだ」。

 アメリカにおいて、今、ロックの流れが変わろうとしている。この新作が先にリリースされた本国では、ビルボード・アルバム・チャートで初登場7位をマーク。ユーズド、スライス、ストーリー・オブ・ジ・イヤーのアルバムもそれぞれ好調なリアクションを得ている。エモーショナルなサウンドにスクリーム(絶叫)を入れた〈スクリーモ〉。前述のバンドを含めそれぞれが個性を出し、必ずしもひとつのカテゴリーに収まるわけはないのだが、その中でもサーズデイは先駆者的存在ゆえのオリジナリティーを確立している。

「どうだろう……いろんな要素がハードコアに組み込まれているだけだと思う。ニューウェイヴ、ノイズ、エクスペリメンタル、つまり、ソニック・ユースみたいなものがハードコアに取り込まれた感じなのかな? とにかく、僕らのサウンドであることが重要なんだ」。

 チェロやキーボードの導入が功を奏して、作品に多彩な表情を与えているし、静と動を巧みに使い分けたサウンドが、ロックの可能性をさらに広げる結果となった。

「〈ここの部分、バカっぽく聴こえるぜ〉とか、ああだこうだ喧嘩しながらも最終的には全員が気に入るんだ。そして、キーボードが最後の仕上げなのさ」。

 意味深なタイトルについても訊いてみた。

「個人的な人間関係から生まれる〈争い〉がアルバムのテーマ。恋愛に関するものが多いんだけど、愛というものはあるレヴェルに達すると、心乱される〈争い〉になるものだからね」。

 今作が日本盤としてリリースされることを素直に喜んでいる彼ら。日本でのライヴも期待せずにはいられない。

「みんなでシンガロングしてくれたら最高だよね。一度も行ったことのない国だから多くは望まないけど、いい手応えさえ感じられたら満足だ」。

〈より新鮮で斬新なもの〉をめざす尽きることのない探求心、キャリアとは無縁の高いプライド。ロック・エクスプロイラー? 数十年後、彼らはパイオニアと呼ばれる存在になっているかもしれない。ロックの流れがシフト・チェンジされようとしている今、彼らのサウンドを聴かずして一体なにを聴こう?

▼サーズデイの作品を紹介

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