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特集

二十世紀のポップ・ミュージックを作り変えた4人の天才たち(2)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2003年11月13日 19:00

更新: 2003年11月13日 19:31

ソース: 『bounce』 248号(2003/10/25)

文/久保田泰平、桑原シロー、福田教雄、堀 雅人

ポール・マッカートニー ── 生まれついてのメロディーメイカー

 アビー・ロード・スタジオを出ていく4人。歩道を横切り一直線。服装は見事にバラバラだけれど、このなかで誰かの格好をするなら、僕はポールがいい。ジョンの白いスーツはすぐ汚れてしまいそうだし、ジョージの服は臭そうだ。それにリンゴは……、なんというかどうでもいいって感じ(スミマセン)。

 皺だらけのスーツにノー・ネクタイ。指にはタバコ。そんでもって裸足ときた日には、それだけで何かを(とくにほかのメンバーに)仄めかしているようで、そんなイジけた感じがグッときてしまう。だいたい、ジョン派が大勢を占めるビートルズ・ファン。ジョンと何かにつけて対立し、ほかのメンバーをないがしろにする(していそうな)ポールは、ロック・スピリットをまるっきりわかっちゃいない、みたいな物言いが以前はよくされていたように思うけど、最近はそうでもないのかも。

 でも、やっぱりポールの書くメロディーは最高だし、それに一体、あんな素敵なベース・ラインを誰が弾けるだろう? 永ちゃんだってポールのファンだ。しかも解散と前後して始まるソロ・ワークス。デビュー作『McCartney』からして4トラック自宅録音。セカンド・アルバムの『Ram』のジャケットもアメリカのインディー・バンドみたいだし、そのうえ、フォロワーのエミット・ローズのアルバムに対する評が〈ポールが作り得なかった傑作〉(笑)。けれど、あんなに冴えたメロディーと凝ったコード・チェンジを考え出せたのはポールだけ。恐るべき裸足の人。存在自体がオルタナティヴなひと!(福田教雄)

▼ポール・マッカートニーのメロディーメーカーとしての才能を確認できる、ソロ代表作をご紹介。

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