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特集

ビートルズが生んだピープルツリー その3

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2003年11月13日 19:00

更新: 2003年11月13日 19:31

ソース: 『bounce』 248号(2003/10/25)

文/岡村 詩野、小野田 雄、久保田 泰平、杉山 達、鈴木 祐、永納 秀祐、村尾 泰郎、米田 貴弘

THE BEACH BOYS
『Pet Sounds』
Capitol(1966)
ブライアン・ウィルソンは『Rubber Soul』に衝撃を受け、音楽的創造力のすべてを使うことで、美しく神聖な『Pet Sounds』を完成させた。そしてポールは『Pet Sounds』に衝撃を受けて〈サージェント〉を構想する。なんて素敵なマジカル・コネクション!(永納)

XTC
『Black Sea』
Virgin(1980)
ポップ職人って頑固者。パンク~ニューウェイヴの波から生まれたXTCは、サウンドの細部に妥協を許さないアンディー・パートリッジによってレッツ・ポップ! ラウドなギターとドラムによるライヴ感溢れる本作も細かいポップ魂が炸裂。ポップって魔物。(米田)

STEREOLAB
『Cobura And Phanses Group Play...』
Warner Bros.(1999)
ジム・オルークとジョン・マッケンタイアがプロデュースした本作。クラウト・ロックやブラジリアン・ミュージック、フリー・ジャズなどの影響が色濃く染み込んでます。ここまでアヴァンギャルドかつポップなバンドって、やっぱりビートルズがオリジナル。(永納)

BUFFALO SPRINGFIELD
『Again』
Atco(1967)
ビートルズの革新的なサウンドと、ボブ・ディランのスピリットの出会い。このアルバムではその理想的な出会いが実を結び、当時の西海岸の夢を美しくパッケージしている。“Broken Arrow”でビートルズのアメリカ公演の歓声を使っているのは有名な話。(村尾)

WEEZER
『Weezer』
Geffen(1994)
ハードな意匠に包まれてはいても、モダン・ポップの系譜はカーズのリック・オケイセック・プロデュースからして隠せない。で、モダン・ポップのルーツがビートルズにあるのは衆知の事実。とすれば、ビートルズとウィーザーを結んでも無理はなし!?(小野田)

BECK
『Midnite Vultures』
Geffen(1999)
いまのベックが並列させているのはエレクトロと生だけではなく、過去と未来、母国アメリカとそれ以外……と、さまざま。すべての要素をタテ、ヨコ、ナナメに交錯させる手腕は実験的なんてレベルではない。そういう意味では、ミクスチャー・アルバムの最高峰。(岡村)


THE MILLENNIUM
『Begin』
ソニー(1968)
16チャンネル録音など、当時の最新技術を駆使して、テクノロジーによるハーモニーの結晶化をめざしたアメリカン・ポップスの奇跡。とりわけサウンドと歌の関係において、カート・ベッチャーのマッド・サイエンティストぶりが光る。西海岸のイチゴ畑。(村尾)

中村一義
『金字塔』
マーキュリー(1997)
ビートルズがスタジオをも楽器のひとつとして取り組んだ、音楽的な実験。そんなテクニックの数々は、それから約30年後には自宅で実現可能になっていた。サウンドだけでなく、歌詞のテーマや構造にもビートリッシュな実験精神の影響が随所に感じられる。(鈴木)

くるり
『図鑑』
スピードスター(2000)
〈世田谷線旧車両を残そう〉という、メンバーの呼びかけとは裏腹に、音の面では前衛かつ攻撃的な部分が、あたりまえのように存在する、くるり。ジム・オルークのプロデュース作品を含む本作は、そんなアンビヴァレンスな魅力が見事に整頓された快作。(久保田)

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