ビートルズが生んだピープルツリー その2
THE BYRDS
『Turn! Turn! Turn!』
Columbia(1965)
リヴァプールの4人組から吹いてきたリッケンバッカーの爽やかな風。その風を受けてフォーク・シーンから新しい世界へと舞い上がったのがバーズだった。美しいハーモニーが12弦の音色に溶けて生まれるペイズリー・マジック。昨日より若い歌がある。(村尾)
THE LA'S
『The La's』
Go! Discs(1990)
リヴァプール出身。“The-re She Goes”1曲のおかげでいまでもギター・ポップの代名詞。でも、この人たちって本質はサイケなところにあったんだろうって思う。スティーヴ・リリーホワイトがプロデュースしてなきゃもっとドロリとしていたかも。(岡村)
スピッツ
『ハチミツ』
ポリドール(1995)
“ロビンソン”“涙がキラリ☆”……レノン&マッカートニーが書くような〈誰からも愛され続けるであろう〉名曲を次々と世に送り出しはじめた、このころのスピッツ。曲もさることながら、草野マサムネの歌声も、レノン&マッカートニー同様の貴重な財産。(久保田)
BADFINGER
『No Dice』
Capitol(1970)
林檎の接ぎ木から生まれたスウィート&サワーなギター・サウンド。アップルの新人ゆえに〈ビートルズの弟分〉という当時の評価に悩まされたってところもあったが、ハード・エッジな70'sテイストが後のギター・ポップ・シーンに与えた影響は大きい。(村尾)
TEENAGE FUNCLUB
『Bandwagonesque』
Geffen(1991)
グラスゴーの愛すべきバンドのメジャー・デビュー作。いつまでも変わらないピュアなギター・サウンドに、音楽への強い信念と美学を見る。成功を収めてからも、マイペースな彼らは、ビートルズと同じく根っからの音楽大好き集団!(永納)
真心ブラザーズ
『I will Survive』
キューン(1998)
スキッフル……いやいや、フォークからロックンロールへ。最初期のビートルズさながらに転身を遂げるためには破れかぶれの〈スピード〉が必要だった。ロックでソウルでシャウト! “拝啓 ジョン・レノン”なんて歌わずとも、その〈愛〉は本物。(小野田)
BIG STAR
『#1 Record』
Line(1972)
アメリカはメンフィス生まれのR&Bスピリッツが、ビートルズ・ライクなメロディーに惚れて生まれたビッグ・スター。音に対しては一途な頑固さと職人の繊細さを併せ持ち続けた彼ら。そのサウンドは、熱いソウルで焦がした焼き林檎のスウィートさ。(村尾)
OASIS
『(What's The Story)Morning Glory?』
Epic(1995)
ビートルズに対する底なしの愛。リアム・ギャラガーは自分の子供にレノンと名付け、ノエル・ギャラガーはポールと共演するなど全世界へ自分たちの愛を告白し、夢を実現させたガイズ。メロディーこそが最強の武器であるという意志はビートルズ直系。(米田)
キリンジ
『ペイパードライヴァーズミュージック』
ワーナー(1998)
カブリオレ? ジェミニ? もしかしてビートル? とにかく車に飛び乗って“Drive My Car”……じゃなくて“DRIVE ME CRAZY”。その先にある成熟を目指して疾走する高樹と
泰行がジョンとポールに見えたとしても、それはぼくのせいぢゃないよ。(小野田)