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特集

1962-1963 シンプルなロックンロールに垣間見られた独自性

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2003年11月13日 19:00

更新: 2003年11月13日 19:31

ソース: 『bounce』 248号(2003/10/25)

文/速水 丈

ビートルズが〈現役〉で活動を続けていたのは、62年から70年までのわずか8年足らずに過ぎない。しかしその短い期間のなかで、ビートルズが初めて為し得たことはどれくらいたくさんあったのか。発表された作品に限ってみても、考えただけで気が遠くなってしまうほどだ。それこそアルバムを1枚出すたびに確実に新しい〈何か〉が加わっていき、そして聴き手はそれを手応えとして感じることができる。しかもその変わりようは、決して緩やかではなかった。ここでは、そんなビートルズの音楽性の変化を、代表的なアルバムを辿りながら眺めてみたい。

ビートルズがもともとドイツのハンブルグや地元リヴァプールのライヴハウスでの叩き上げのロック・バンドであったこと。それがまず重要だ。記念すべきデビュー・アルバム『Please,Please,Me』(63年)は、そうしたライヴならではの熱気をスタジオで音源として封じ込めることを意図して制作されたものだった。エルヴィス・プレスリーを超える存在になろうと〈頂点〉めざしてライヴ活動を続け、ラジオやテレビ出演を繰り返すことでビートルマニアを増殖させていたアイドルとしての4人の姿が、この時期にはある。ジョンが歌う“Twist And Shout”“Money”、ポールが歌う“Long Tall Sally”のようなカヴァー曲を、できれば元曲とともに聴いてみてほしい。ビートルズのバンドとしての原点と独自性を感じることができるはずだ。

▼ストレートなロックンロールが満載な、ビートルズの原点といえる作品を紹介。

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