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特集

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2003年10月02日 21:00

ソース: 『bounce』 247号(2003/9/25)

文/粟野 竜二、加賀 竜一、穀田 大、冨田 明宏、北爪 啓之

M.WARD 『Transfiguration Of Vincent』 M.Ward(2003) フィンガー・ピッキング・ギターの名手、マット・ウォードの最新アルバム。カントリー/ブルース/フォーク……と、ルーツ・ミュージックを軸にしているとはいえ、その幅の広さは恐ろしいものがある。多彩なゲストも注目だが、素朴なサウンドに寄り添う、実直な歌の素晴らしさよ!!(穀田)

MAGNET 『On Your Side』 Mushroom(2003)  〈北欧テイスト〉ともいうべき、フォーク&カントリー色の濃い、和みエレクトロニカ・ポップを奏でるノルウェーのロンサム・カウボーイ。繊細な歌声とメロディーの間から浮き立つふくよかに優しい幻想味は、まさにオーロラのように揺らめいて、聴く者を遠い北国の美しい情景のなかへと連れ出します。(北爪)

MICHAEL FRANTI WITH SPEARHEAD 『Everyone Deserves Music』 Boo Boo Wax(2003) デビュー以来、徹底して政治性の強いメッセージを発信してきたマイケル・フランティの4作目となるアルバム。ポリティックだがよりオーガニックに、包容力を増したサウンドは強靱な自由と温かさに満ち溢れており、彼の逞しさを物語っている。(加賀)

OWEN 『Owen』 Polyvinyl(2002) ジョーン・オブ・アークでは兄のティムと共に自由な実験精神を発揮している、マイク・キンセラによるソロ・プロジェクトのセカンド・アルバム。もうひとつのプロジェクトであるアメリカン・フットボールに比べ、こちらはずっとアコースティック寄り。穏やかなメロディーと繊細な歌声がグッときます。(粟野)

PARKER PAUL 『Wing Foot』 Jagjaguwar(2002) ジャグジャグワーの隠れた逸材。負け試合のBGM、はたまた場末のキャバレー的楽曲を演出するのは、ドラムとチェロ、そして彼のピアノと歌のみ。不器用かつ真摯な演奏と、カラッカラのヴォーカルが涙を誘う。トム・ウェイツ+ロン・セクススミスを彷彿とさせるムーディー・ソングの数々。(穀田)

PETE YORN 『Day I Forgot』 Columbia(2003) デビュー作『Musicforthemorningafter』が注目を浴びたピート・ヨーンのセカンド・アルバム。肉感のある声が渋さを感じさせるが、それ以上に強く輝くのは、ポップなメロディーとスコット・リット(REM)による万華鏡のようなサウンド作り。それらが交わる豊潤な風合いには、快感すら覚える。(加賀)

PLUSH 『Fed』 Drag City(2002) 前作にあたる『More You Becomes You』ではピアノの弾き語り曲が大半だったが、スティーヴ・アルビニのサポートを受けて制作された本作では見事なオーケストレーションを聴かせている。サウンドのスタイルこそ変われど、彼が放つエレガントなヴォーカルと、豊かな曲線を描くメロディーラインは極上の逸品。(穀田)

RHETT MILLER 『The Instigator』 Elektra(2002) ジャケをご覧のとおりな美形男子の、フォーキーだけどルーツにこだわりすぎないポップ・センスと、ソロ・デビューという瑞々しさに満ちた快作。シンプルながら躍動感溢れる演奏と声は、それだけでマイッタさせるに十分。そしてそれが染み込んでいくときの心地良さといったらもう。(加賀)

RYAN ADAMS 『Demolition』 Lost Highway/Universal(2002) オルタナ・カントリー界のオットコ前、ライアン・アダムスの最新アルバム。タイトルどおりの初期的粗雑さと宝石の原石的無垢さが、すべてにおいて好転した傑作。カントリーやブルースを吸収した音も、彼にかかれば魔法のような聴きやすさをもって流れていく。(加賀)

SONDRE LERCHE 『Faces Down』 Virgin(2002) 弱冠20歳の美男子、ソンドレ・ラルケが歌うその音風景は〈青春まっただ中!〉というよりは〈過ぎ去りし青春を我想ふ……〉といった、メランコリックな情景を聴く者に想起させる。思わず涙が溢れてしまいそうになる歌詞、ヴォーカル、そしてメロディーの三位一体が、優しく胸に突き刺さる。(冨田)

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