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特集

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2003年10月02日 21:00

ソース: 『bounce』 247号(2003/9/25)

文/bounce編集部

繊細さがキモになる現在のシーン

村尾「ジョン・メイヤーとかダッシュボードが日本でいまひとつ響かないのは、どういうわけなんでしょうね? やはり言葉?」

新谷「そうですね、ダッシュボードなんかはとくに。歌詞のニュアンスみたいなところが伝わってないのかもしれませんね。でも、ジョン・メイヤーはフィリピンでウケてるみたいですよ(笑)。だから日本にももうじきその大波が……(笑)」

村尾「傾向的に日本のリスナーが歳をとらないっていうのもありますよね。若者向けの音楽がメインで、どうしてもビートが立ったサウンドが多い。その点アメリカに目を向ければ、ジョン・メイヤーは年輩リスナーからの支持も厚い。人気が出てきたのも〈AAA〉ラジオからだし」

新谷「子供だけじゃ、あんなに大きなヒットにならないですもんね」

村尾「新谷さんから見て、最近のシンガー・ソングライター・シーンにはどんな印象を持たれますか?」

新谷「ポップさ、親しみやすさ、誠実さ……。あといろんなタイプがいるってことですね。例えばパンクならダッシュボード、ロックではアダム・グリーンとかベン・クウェラー、黒人ではミュージック・ソウルチャイルドとかコーディ・チェスナット、メインストリームのところではもちろんジョンがいて……ワクにハメられずに、それぞれが自由にやっている。こうした最近のアーティストたちって、ジェフ・バックリーの登場を境に生まれてきてるような気がするんです」

村尾「なるほど。彼の特別さって、どんなところだと思いますか?」

新谷「めちゃくちゃ才能ある人だったんですけど、やっぱり普段着な感じ。それにフェミニンな要素を隠さず自分の表現として表すことができた。それって彼以前の男性アーティストにはなかなかできなかったことだと思うんです。ジェフとモリッシーの名前は、最近のアーティストのインタヴューでよく出てきますからね。それってやはり2人とも、繊細さをロックというフィールドできちんと表現できた人たちだからだと思うんです」
村尾「モリッシーは作詞だけですけど、あの世界観っていうのは、それまでにない女々しさでしたからね」

新谷「女々しいけどプライドが高い(笑)」

村尾「そういった繊細さをサラッと出すことができるっていうことが、いまのシンガー・ソングライターの特徴のひとつなんでしょうね」

▼文中に登場するアーティストの作品を一部紹介。

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