耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
9 ワック・ワック・リズム・バンド
『WACK WACK RHYTHM BAND』 ファイル/2003
スペンサー・デイヴィス・グループ……というより、“I'm A Man”をカヴァーしていたころのシカゴといった趣もあるかも知れません(本作には同曲にオマージュを捧げたと思しき曲あり)。メンバーにウィンウッド並みのヴォーカリストはいませんが、そこはぜひ、すごい共演を望みたい。たとえば……松崎しげるとか。(久保田)
10 BILLY JOEL
『The Bridge』 Columbia/1986
アッティラ時代はハモンドを弾き散らしていたビリー。そんな彼にとってウィンウッド兄貴はアイドルのひとりで、ロングアイランドのホワイト・ソウル少年にとっては憧れの的だった。本作のセッション時ビリーは、彼を前にして嬉しさの余り12時間もウィンウッド・ナンバーをやり散らかしちゃったそうですね。(桑原)
11 CHIC
『Live At The Budokan』 Sumthing Else/1999
ウィンウッドがNYで制作した『Back In The High Life』で大貢献だったのがナイル・ロジャーズのギターだった。あのアルバムの印象そのもののカラフルな音色を提供。バーナード・エドワーズが日本で急逝した時、ウィンウッドもシックで共演していた。後に彼に捧ぐ“Family Affer”をナイルと共に作ったりも。(桑原)
12 AIRTO MOREIRA, FLORA PURIM, JOE FARRELL
『Three-Way Mirror』 Reference/1985
黒人音楽の造詣のみならずサルサ(ファニアと共演!)、レゲエ、アフロと興味を拡げていったウィンウッド兄貴の音楽遍歴。特にラテン・フィーリングがお好みのようで、楽曲のカラーリングにいろいろと形を変えて使用されている。そうそう、新作のギタリスト、ホセ・ネトーはアイアート・ファミリーですね。(桑原)
13 オリジナル・ラヴ
『踊る太陽』 ポニーキャニオン/2003
ビート・グループ、レッド・カーテンを経てピチカート・ファイヴ~オリジナル・ラヴへ。高野寛、スカパラといったメンツとのスペシャルな共演も経験し、独自のダンディズムを完成……と、ウィンウッドさんの履歴書と重なる部分ありあり。田島貴男にないものは〈○○賞〉ぐらいか。今年の夏フェス楽しみです、2人とも!(久保田)
14 STEELY DAN
『Everything Must Go』 Reprise/2003
かつては〈スタジオ・ワークの鬼〉的イメージが、ウィンウッド兄貴とこの2人組にはリンクしたもの。目標とする先には必ず輝くソウル・ミュージックの花園が浮かんでいるのもまた共通項と言えた。と思えば、両者の新作は共にジャムっぽい生感覚を前面に出していたりして、続けて聴くとまるで同窓生みたいで。(桑原)
15 宇多田ヒカル
『First Love』 東芝EMI/1999
むか~しむかし、ウィンウッドどんは15歳の時にデビューしたのじゃが、ラジオから歌声が流れてきたとき、誰もそんな若僧(しかも白人)が歌っているとは思わなかったそうじゃ。そんな出来事が日本でも起こったそうじゃが、こっちはすくすくと育った、それはそれは可愛らしい女の子じゃったそうで……。(久保田)
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