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特集

英国ロック・シーンをサヴァイヴしてきたブルーアイド・ソウルメンたちを讃えよ!!

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2003年08月07日 18:00

更新: 2003年08月07日 20:07

ソース: 『bounce』 245号(2003/7/25)

文/桑原 シロー

HAIL TO UK SOUL SURVIVORS!!

 変声期にレイ・チャールズの物真似をやりすぎたことが原因で、あんなソウルフルな声が出るようになったウィンウッド。スペンサー・デイヴィス・グループ時代のレイのカヴァーなど聴くと、憧れやなんやかんや、いろんなものが絡んだ情熱の塊がごろんと転がり出てきて、ごつんと胸を打つ。60年代の英国リズム&ブルース・ブームは彼のような熱心な米音楽崇拝者に支えられていたわけだが、黒人の模倣に留まらず内なるソウルの探索へと向かった者のみが時代を生き残り、やがてオリジナルな世界を獲得することになる。ウィンウッドもそのなかのひとりだった。ということで、ここでは彼のような英国白人ソウル・サヴァイヴァーたちを紹介。       

 まずはロッド・スチュワート。ジェフ・ベック・グループ参加で名を馳せ、フェイセズ加入で大スターの地位を築いた彼。シガレッツ&アルコールで磨かれた咽をぐるんぐるん振り回し、破天荒なアクションと共に人々を魅了、いとも簡単にブリティッシュ酔いどれロック大将の座につく。しかしソウルの求道心は人一倍熱く、特に70年代ソロ・アルバムにおける熱唱の数々は今なお輝きを失わない。『Never A Dull Moment』のクラレンス・カーターのナンバーを聴くたび、〈ソウル・ミュージックとは魂の音楽〉という当然の事実を確認させてくれる。

 また、まさしくオリジナルな世界へと旅立ったひとりとして、ヴァン・モリソンを。名グループ、ゼムでデビューした後にソロ活動へと進み、アメリカを拠点として数々の名作を放った70年代初頭。あらゆるジャンルから遠のくかのような、孤高の輝きを放つ音楽が作られたのだが、たえず彼の腰にはソウル・ミュージックがぶら下がっていた。あまりに静謐な『Astral Weeks』は雪の結晶のようなソウルが降り積もる。

 次いでエルヴィス・コステロは、趣味人的姿勢で『Get Happy!』のようなリズム&ブルース・アルバムをリリースしているが、しかし昨今はスタイルではないソウル、英国的、またはケルト的な湿り気を帯びた彼独特のソウル・ミュージックをたくさん作っている。だから、もう一度今の感じで、先のアルバムのようなやつを一発やってほしいと思ったりする。

 そして80年代半ば、希代の名曲“Holding Back The Years”と共に登場したシンプリー・レッド。ブルーアイド・ソウルの伝承者としての看板を背負わされたところもあったが、その範疇に留まらない活動を現在も展開しているのは周知の事実。が、根底には変わらないリズム&ブルースへの愛情が敷かれていることもおわかりだろう。

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