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特集

Steve Winwood(3)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2003年08月07日 18:00

更新: 2003年08月07日 20:07

ソース: 『bounce』 245号(2003/7/25)

文/宮子 和眞

さらなる高みへ……

 トラフィックでの活動を停止させたウィンウッドは、77年から、ソロ・アーティストとしての活動に入ることになる。以降、リリースしたオリジナル・アルバムは、『Steve Winwood』(77年)、『Arc Of A Diver』(80年)、『Talking Back To The Night』(82年)、『Back In The Life』(86年)、『Roll With It』(88年)、『Refugees Of The Heart』(90年)、『Junction Seven』(97年)の7枚。94年には、トラフィックを再結成してのアルバム『Far From Home』がリリースされたりもした。

 さて、そこで6年ぶりの新作『About Time』なのだが。ここでのウィンウッドも、ワールド・ミュージック的な視点から独自のブルーアイド・ソウルを披露してくれている。この新作は、基本的にウィンウッドを含むトリオで演奏されていて、ウィンウッド流のオーガニックなサウンドがたっぷり。ギターにはアイアート・モレイラやフローラ・プリムとのユニットで活動したホセ・ネトーが、ドラムスにはサンタナのメンバーだったウォルフレード・レイズが迎えられている。2人ともブラジルやキューバなど中南米の音楽をバックボーンに持つミュージシャン、というのが実にウィンウッドらしい。ベースレスなのは、ウィンウッドみずからがオルガンのフット・ペダルでベースのパートを演奏しているからであり、また、サックスとフルートでジャム・バンド界隈で知られるカール・デンソンが参加しているのも注目すべきところだ。

 このアルバムを聴いていると、後期のトラフィックを思い出す点が多い。わりと長めの曲が多く、有機的なセッションのなかからウィンウッドのソウルフルなヴォーカルが立ち上がってくるような内容だ。さらに言うと、本作でのウィンウッドには、ロックが特別な音楽だった時代のサウンドをいまに甦らせようとしているような面が見受けられて、そこに僕は胸を打たれずにはいられなくなる。かつてシャーデーも取り上げたティミー・トーマス作、ビリー・ポールのソウル・クラシックとしても有名な“Why Can't We Live Together”のカヴァーも、見事。その渋い演奏のなかからハートにジワジワと沸き上がってくるものもたっぷりと感じられるし、僕は今また、スティーヴ・ウィンウッドというアーティストに夢中になってしまっているところだ。

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