こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

UKロックを定義づけたレジェンドたち

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2003年07月10日 16:00

更新: 2003年07月10日 16:02

ソース: 『bounce』 244号(2003/6/25)

文/伊藤 英嗣、木 村優宏、米田 貴弘、村尾 泰郎

ポスト・パンク期におけるスミスの存在と〈スミス以降〉のシーン

 70年代後半~80年代初頭のポスト・パンク状況が一段落した頃、マンチェスターから浮上してきたのがスミスだった。ポスト・パンク・ムーヴメントの牙城たるレーベル、ラフ・トレードから彼らがデビュー・シングル“Hand In Glove”を出したのが83年5月。アズテック・カメラが同レーベルから初めてのアルバム『High Land, Hard Rain』を発表したのも83年5月だった。その出自からして、アズテック・カメラをポスト・パンクの一部(最終段階)にカウントすることは可能であり、のちに日本では〈ネオアコ〉という文脈で捉えられていたこともあった。しかし、音楽性も彼らと極端に遠くはないスミスが、そういった括りに含まれることは少なかった。印象そのままの〈孤立した存在〉。

 80年代、ラフ・トレードのスミス、ファクトリーのニュー・オーダー、ミュートのデペッシュ・モードは、インディー・レーベルに属していながらナショナル・チャートを席巻する三大巨頭だった。80年代末から90年代初頭にかけてはマンチェスター/インディー・ダンス・ブームがあった。シューゲイザーの台頭を挟んで、90年代中頃にはブリット・ポップの嵐が吹き荒れた。こういった流れと常に同期していたクリエイションから、オアシスが登場した。彼らがイギリスを、いや現在のロックを代表するビッグなバンドとなり、90年代末にクリエイションが終焉を迎えたとき、ポスト・パンクの末期から綿々と続いていた時代が幕を下ろした。そんな気がする。

 ドメスティックなバンドによるムーヴメント/シーンが見えてきづらい2000年代のUKだが、もちろんいいバンドはいる。そんないまだからこそ、〈孤立した存在〉だったスミスを、〈それ以降〉という形で見直すのも意義あることなのではないか。(伊藤)

インタビュー