ブルックリンを揺るがす〈ソカ〉という名の爆音
ブルックリン爆音振動系音楽のトップランナーがソカ。70年代の後半に登場して、あっという間にカリブ圏でレゲエに次ぐポジションを獲得した。ソウルとカリプソを合体してできたトリニダード生まれのスタイルと、インドとアフリカが合体した超アッパーなビートは、腰をくねらすワイニングというダンスとともにどんどん強力になっていき、ブルックリンにはカリブ中から強そうなソカ・バンド/ブラスが集合して、カーニヴァルで熱く激突したのでした。
その代表格がデヴィッド・ラダーとチャーリーズ・ルーツ。そして90年代にはダンスホールを採り入れたバッドボーイなスタイルを聴かせるマシエル・モンターノがストリートを席巻。それぞれの島から〈こっちのほうが音がデカイぞ〉とばかりに巨大トラックが登場した。そして同時にそんな代表的なアーティストばかりでなく、本当に名前も知らないような小さな島から自身の誇りをかけて多くのバンドも登場してきた。そこで振りまくられる国旗にはワールドカップ的な熱狂が渦巻いている。
ところでやはりソカはライヴで聴きたい。小さい音ではぜんぜん意味不明のシャカシャカ音は巨大スピーカーの前でこそ頭をやられ、究極のダンス・ミュージックに変身するのだ。今年のレイバー・デイは9月1日。ブルックリンはまたもや性懲りもない人たちの音と踊りで埋め尽くされる。
▼ソカの作品を紹介
デヴィッド・ラダーの最新作『Blessed』(Bangaseed)
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