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特集

その座に君臨し続けるカリプソの帝王、マイティ・スパロウ

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2003年06月12日 12:00

更新: 2003年06月12日 20:04

ソース: 『bounce』 243号(2003/5/25)

文/桑原 シロー

帝王マイティ・スパロウ。タフでクレヴァーでハード・ワ-キングマン。まるでカリプソ界のジェイムズ・ブラウンみたいなお人。それにしても〈力持ちのスズメ〉とはイカシタ芸名ではないか。ちょい素頓狂なところも彼の味だ。

彼が“Jean And Dinah”をヒットさせて注目を集めたのが56年のこと。パワーに溢れ、はちきれんばかりの歌声と批評性を込めたキッツイ歌詞でトリニダードで大人気に。どんどん洗練されていく当時のカリプソに影響を与えつつ、確固たる地位を築く。その後、国外活動も盛んになり、NY・カーネギーホールのステージに立つほどの人気を獲得した。また、72年にはヴァン・ダイク・パークスの『Discover America』に参加。今作でスパロウの存在を知った日本人は少なくないはずだ。そのヴァン・ダイクが制作した74年の名盤『Hot & Sweet』ではさらにツヤを増した彼の歌声を聴くことができる。70年代はファンキーにキメ、80年代はソカを引き寄せてより若々しくなった。彼が53歳の時に行われた89年の来日公演の凄まじさはいまだ目に焼き付いたままだ。いつまでもモダンな男スパロウ。帝王の座は揺るぎない。

▼マイティ・スパロウの作品および関連盤を紹介

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