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特集

即着火可能なリフ・ロックの醍醐味

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2003年05月22日 17:00

更新: 2003年05月22日 17:36

ソース: 『bounce』 242号(2003/4/25)

文/トリプル永地

ITS A RIFFS RIFFS RIFFS WORLD...

AC/DCを語る際、忘れちゃいけないのが〈ギター・リフ〉の存在感だろう。曲の特徴を左右する〈ギター・リフ〉は、ロック界でいうところの必須アイテム。歪んだサウンドで、主に低音弦を使用した単音(または二音)フレーズの繰り返し。技術的にはそんなに難しくない奏法だから、誰でもチャレンジできると思う。なかでも80年の『Back In Black』から最新作である『Stiff Upper Lip』のなかにおいてアンガス・ヤングがSGギターで編み出してきたリフの数々──それら圧倒的パワーの結晶体は、現代ロック史にも影響を与えている。

アンガスの掻き鳴らすリフは、ヘヴィー・メタル、パンク・ロック、ハードコアなど、幅広い層に受け入れられる(もしくは真似される)魅力を放っている。装甲車のような重量感に加えて、雷鳴のようなインパクトと破壊力。源流にあるのはブルース、ブギーといったトラディショナルなものにせよ、リフの瞬発力で〈うぉぉぉぉ!〉と興奮させることが可能なのだ。たとえば、ギャング・グリーンを筆頭にした80年代のボストン・ハードコア勢がAC/DCの魅力に惹かれていったように、コアなキッズも夢中になってしまう痛快なエネルギーがAC/DC最大の醍醐味。歌詞にしたって単純そのものだし、小難しい芸術性や繊細さは皆無。しかし、それこそがAC/DCなのであり、アンガス・ヤングのカッコ良さなのだ。

また、彼が残した遺伝子はグランジやヘヴィー・ロック、ポップ・パンクや〈ロックンロール・リヴァイヴァル〉と名付けられた一連のバンド群とも繋がっている。絶妙なポップ・センスで新世紀のハード・ロックを体現するフー・ファイターズ、UKの次世代ヘヴィネスを代表するハンドレッド・リーズンズ。また、メタル大好きサム41は初来日公演で“Thunderstruck”を曲の導入部で披露。『Highway To Hell』を理想像として掲げ、派手なアリーナ・ロックを標榜するドナス。泥臭~いブルース・コードをパンキッシュに荒々しく演奏するD4。彼らはみんなリフ・ロックの申し子たちである。約30年間、ロックンロール街道を走り続けるリフ・マスター、アンガス・ヤングにいま一度敬意を!

▼文中に登場したアーティストの作品を紹介。

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