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特集

AC/DC(3)

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2003年05月22日 17:00

更新: 2003年05月22日 17:36

ソース: 『bounce』 242号(2003/4/25)

文/土屋 恵介

成功を支えた2人のヴォーカリスト

アンガスと共にフロントマンとしてバンドを引っ張るヴォーカリストがブライアン・ジョンソン。80年代以降、彼の金切り声がAC/DCのトレードマークになったといっていい。ハンチングを被って歌うその姿はまさしく映画「トラック野郎」の愛川欽也そのものだ。そして忘れちゃならないのが、ブライアンの前に70年代のAC/DCを牽引してきたヴォーカリスト、ボン・スコットの存在だ。もともとはAC/DCの機材トラックの運転手だった彼は、AC/DC加入以前にもシンガーとして歌っていた経験があったが、前任のヴォーカリスト、デイヴ・エヴァンスを追い出し、AC/DCで歌うことになる。袖を切ったGジャン、ボサボサでパツンと切った前髪──その野性むき出しのルックスで、汗の塊がそのまま声になったような下品な声で歌いまくるボン。その姿は最近リリースされた77年のライヴを収めたDVD「AC/DC Live 77 : At The Hippodrome Golders Green London」で目撃できる。さらに彼のケツには左に〈AC〉、右に〈DC〉というタトゥーが彫られてて、しかもGパンに穴まで開けてわざわざそれを見せるという、究極のロックおしゃれ野郎でもあったのだ。〈人は見かけじゃない〉とはいうけど、彼の場合はまさに見かけそのまんまのワイルド・ファイヤー。当然ライヴ後のパーティーはハチャメチャ状態だったようで、〈2階のバルコニーからそのままプールに飛び込んだ〉とか数々の逸話もある。まさに〈セックス、ドラッグ&ロックンロール〉を実践した男なのだ。

とにかくパフォーマーとして問題なしのボンとアンガス。そこに文句なしにカッコいいロックンロールがあればもう無敵だ。75年に『High Voltage』で世界デビューしたバンドは、着実にイギリスでも人気をつかみ、79年にはついに『Highway To Hell』がアメリカで大ヒット。しかしこれからという時、突然の悲劇が彼らを襲う。大盛況のツアー中、ボンはアルコールの飲み過ぎの結果、嘔吐物が喉に詰って窒息死してしまう。80年2月19日のことである。成功の影にも悲しい歴史あり。まさに〈ロックンロール・バビロン〉。バンドは彼の意志を継ぎ、休むことなく元ジョーディーのヴォーカリスト、ブライアン・ジョンソンを迎えて『Back In Black』を同年に完成させた。鐘の音がこだまする名曲“Hells Bells”はまさにボンへの鎮魂歌。サウンドの新境地を切り拓いたこのアルバムでバンドは大ブレイク。そして翌年の『For Those About To Rock(We Salute You)』でついに全米アルバム・チャートのNo.1をゲットするのだった。

ボン・スコット在籍時の貴重な映像を観ることができるDVD「AC/DC Live 77 : At The Hippodrome Golders Green London」(バップ)。また、『Back In Black』『Highway to Hell』といった主要アルバムが激レア写真満載のブックレット付きでリイシューされたばかり!! 

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