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特集

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2003年05月08日 19:00

更新: 2003年07月10日 16:01

ソース: 『bounce』 242号(2003/4/25)

文/福田 教雄

NYアンダーグラウンドの息吹を伝えるアヴァンギャルドなビート。ライアーズのロックは嘘をつかない!!


ライアーズ。悪意を込めて訳すなら〈嘘つき野郎ども〉。NYからのニュー・センセーション。その炎の中、ひときわ熱量の高い地点で、彼らは強靱なビートを背に受けて雄叫びを上げる。少年は荒野をめざす。グループのフロントに立つアンガス・アンドリュー(ヴォーカル:以下同)が、そもそもの成り行きを説明してくれた。

「僕がオーストラリアを抜け出したのは、高校を卒業した17歳の時だった。僕はただ違う世界に出てみたかったんだ。そうしてNYにやって来た。NYは僕にとってはもっとも大きな、もっとも狂った街だったからね。でも数年後、LAに移ったんだ。そこでギターのアーロン(・ヘムフィル)に出会ったんだよ。僕らは、まるで違うバックグラウンドを持っていた。僕はダンス・ミュージックで育ったけど、彼はLAのホットでクールなバンドを聴いていたからね。だから僕らがいっしょにバンドを始めたとき、2人のそういった趣味がいっしょになったんだ。でもLAはそれほど好きになれなかった。NYは何かをやるよう背中を押される街。で、僕らはNYに戻ってバンドを始めたんだ」。

NY、ブルックリン。さまざまなプレスが、今もっとも〈ホットなシーン〉と喧伝する地域。そこには彼らをはじめ、レディオ4、!!!、アウト・ハッドらがひしめいている。しかし、この数年、とくにインディー・ロック・ファンにとっては、NYはホットな街とは言い難かったかもしれない。それが今やこの有り様。季節はめぐり、NYにふたたび夏が訪れた。

「僕らがブルックリンにいるのは、練習のために広い場所が必要だったからだけど、ほかのバンドにも同じことが起こったんじゃないかな。同じ時に同じ場所でね(笑)。不思議だよな。でも実際は、それぞれのバンドがおもしろいことをやっていることが露わになってきただけだと思うよ」。

そうして、彼らが手に携えたのは、ヒプノティックでファンキーなリズムと不協和音たっぷりのディストーション・ギターだった。また、彼らはESGの“UFO”をサンプリングした数々のアクトの最新のひとつでもあるし、今後は元スリッツのアリとのコラボレートも予定されている。そうしたことからも彼らは、いにしえのポスト・パンクと比較されてきたけれども、しかし、それだけじゃないだろう?

「彼ら(過去のポスト・パンク勢)になくて僕らにあるもの? もちろんテクノロジーだよ。僕らは自分たちの好きなものすべてを採り込もうとしている。適切だろうがそうじゃなかろうが、ね。そして、独創的なものを作りたいと思う。人が飛びついてすぐに忘れるような音楽には惹かれないよ。センセーショナルになる必要はないんだ」。

彼らは貪欲。しかし、見かけによらず実直。ライアーズ。〈嘘つき野郎ども〉。いや、それは自分の中の〈ウソ〉さえ認めることだったらしい。

「僕らは誠実にやっていきたいし、偽りたくはない。でも、誰だって嘘はつく。元に戻れば、僕らはみんな嘘つきだってことになるんだよ」。

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