A.R.E. WEAPONS
ホームレス発エレクトロ・ディスコ・パンク!! スーサイドからヒップホップまであらゆる〈怒り〉を食い尽くしたA.R.E.ウェポンズが、ついに正体を現す!!!
いま、世界で同時多発的に発生してる熱い音といえば、ポスト・パンク・シーンに影響を受けたディスコ・パンク、あるいはエレクトロクラッシュと呼ばれるシーン。そんななか、とくに熱いシーンを形成してるのがNY。古くからNYパンク、ノーウェイヴというシーンはあったけど、その息吹は脈々と流れていたのです。このA.R.E.ウェポンズは、まさにいまのNYのムードにジャストな存在。2002年、『Great Time』(2枚のシングルからの編集盤)で日本デビューを果たした彼ら。海の向こうではUKニューウェイヴの老舗ラフ・トレードと契約してるってところもいい感じ。アナログシンセがビッキビキ、テクノ、ヒップホップ、パンクが混在する、まさに21世紀のスーサイドとでもいうような、エレクトロ・パンク・バンドなのです。では、中心メンバーのブレインに、パンクとエレクトロニクスの融合のきっかけを聴いてみよう。
「12歳でギターを弾き始めて、そのころはパンクにスケートボードさ。それから17歳の誕生日にドラム・マシーンを買ってもらった。ドラム・マシーンとアホなテープレコーダーがあればバンドができる。そこにヒップホップの登場だ。それでいまみたいな音になっていったんだ」。
さて、ここで彼らの結成のいきさつをおさらいです。なんと12歳でグループを結成したブレインとマット(「俺の夢にA.R.E.ウェポンズって名前の探偵が出てきて。それで名前をつけたんだ」)。そこにトムが加わり3人組へ。彼らはボストンからワシントンDCへ移り、さらにNYに移る。しかし最初の2年は貧乏で「友達の家に転がり込んだり、ホームレス状態でほんとに路上に寝てたこともある」というスゴイ経験をしてる彼ら。その後、マットのガールフレンドである、女優のクロエ・セヴィニーの弟ポールがマネージャーとなり、それからアート・ギャラリーやパーティー会場でメチャクチャなライヴを繰り広げ知名度がアップ。ライヴを観たラフ・トレードのスタッフが自主CDをゲットし、それがパルプのジャーヴィス・コッカーを経由してデビュー!となったのです。ところが新作制作の間にメンバー・チェンジが勃発。なんとトムが子育てを理由に脱退。そこでマネージャーのポールがメンバーに昇格し、ついに初のオリジナル・フル・アルバム『A.R.E. Weapons』が完成したのだ。
- 前の記事: 襲来! ポスト・パンク・チルドレン DEATH DISCO 2003
- 次の記事: A.R.E. WEAPONS(2)