〈今のダブってどんなものなのか?〉っていうのが自分の頭のなかにあって(2)
一曲やったらブッ倒れて
「この一年半、客観的に考える時間もないし、余裕もなかった。本当に突っ走って、どうなるかもわからない、本当にゼロからのスタートだった。そこから教えられたものもすごく多くて」という秋本の言葉のとおり、REBEL FAMILIAは精力的なライヴ活動を行いながら、昨年にはミニ・アルバム『STAND ALONE』をリリース。そこで展開されていた感情のすべてを叩き付けるかのようなノイジーなブレイクビーツ・ミュージックはふたりが考える〈レベル・ミュージック〉のひとつの形だった。そして、このたび届けられたもうひとつの解答、それが彼らのファースト・アルバム『REBEL FAMILIA』だ。
「完全な一発録りですね。ライヴとまったく変わらない」(秋本)。
「編集もしないでひたすら録ったなかからいいテイクを選んだ」(GOTH-TRAD)。
「それはもう壮絶な、こんな追い込まれたレコーディングはないっていうぐらい。一曲やったらブッ倒れて。爆音すぎてスタジオなのに苦情がきたりして(笑)。そのビルに人がいない夜から朝までしか録音ができなかった」(秋本)。
そんなエピソードからサウンドを察するべし。とにかく強烈な音の塊がスピーカーを突き破って感情の深いところにまで突き刺さってくるようなアルバムだ。
また、4月にはGOTH-TRADのファースト・ソロ・アルバム『GOTH-TRAD I』もリリースを控えている。こちらは99年から作りためてきた楽曲をまとめたものであり、現段階での彼の集大成的な作品集だ。
「そもそもジャンル分けしてる段階でおかしいと思う。ただメディアがそうやって紹介してるだけで、俺自身はそこには捕われてない。どうでもいいところだと思うんですよ」というGOTH-TRADの視点が見事に貫かれた、こちらも強烈な一撃である。
……冒頭の問いに戻ろう。つまり、〈Rebel〉とはなにか?
「ひとりの人間として精神的に健康で自由に生きるための主張。納得がいかないことに対して主張すること。闘わないと自由は手に入れられないし、長いものに巻かれていれば安定を得ることはできるかもしれないけど自由は失ってしまう。俺は〈Rebel〉とは自由を勝ち取るための行動だと思う。俺のレベルはベースだし音圧だから。俺はダブなりレゲエを選んだ時点で好きにやらせてもらうよ、っていうのがあるからね」(秋本)。
〈存在意義があるユニット〉、それがREBEL FAMILIAなのだ。