〈ハードコア〉に端を発する、新しい流れも見逃せないぞ!!
やはりケイヴ・インの『Jupiter』以降、シーンは大きく変化していったといえる。このアルバムが発表されたとき、〈あんなのクソだ!〉という意見もたしかに多かったのだが、それ以上に彼らが選んだスタンス、そしてなんといっても斬新なサウンドにシーンは反応せずにいられなかったのだ。そして彼らと同じように柔軟な思考でメロディーを追求するバンドが増えていることは紛れもない事実。具体的に挙げるならば、ニュー・スクール系ハードコア・バンドにその例が多く、もともと叙情性には長けていた彼らが積極的にこの道を選んだのには、なんだか納得してしまう。ポイズン・ザ・ウェル、エイティーン・ヴィジョンズ、そしてファーザー・シームズ・フォーエヴァーの流れもそのひとつだと思うし、さらにはオープン・ハンド、ビューティフル・ミステイク、ポストマン・シンドロームあたりはメタリックな要素と哀愁メロディーを見事に融合させ、バンドによっては初期と現在のケイヴ・インが同居しているようなスタイルを感じる取ることもできる。そして、なかでもズバ抜けているのが、ノース・キャロライナのホープスフォール。とにかく曲と演出力が素晴らしい! 確実にケイヴ・インの次に来るハズ。さらには、すでに御大であるデフトーンズや、大ブレイク中のサースデイ、そして〈スクリーモ〉のラインも、このシーンとはリンクしまくっているから、さらなる異種格闘戦が勃発するハズ。そして彼らの目線は〈唄〉へと向かっている。
▼文中に登場するバンドの最新アルバムを一部紹介
ポイズン・ザ・ウェルの2002年作『Tear From The Red』(Undecided)