耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
9 DJ光光光
『PLANETARY NATURAL LOVE GAS WEBBIN' 199999』 COMMA/1999
リチャードがテクノの仙人(っても十分生臭いんですけど)ならば日本が誇る音楽仙人(っても十分イッちゃってるんですけど)がEYEちゃん。ボアダムスを筆頭に本人も把握しているか疑わしいほどの多くのユニットを稼働させているとこも似て蝶。この光光光名義でのミックスCDでは唯一無二の尋常でない世界が展開。(石田)
10 LOU REED
『Metal Machine Music』 RCA/1975
ポップ・ミュージックのフィールドにおいてこういう難問を突きつけてきた人って、エイフェックス・ツイン以前だとやっぱりルー・リードが思い浮かぶ。まさにタイトルどおりの音塊と音渦に居心地が悪くなるやら、いろんな妄想が浮かぶやら。ワイルド・サイドを歩く者たちの遠吠えはリチャードにも受け継がれているはず。(轟)
11 石野卓球
『KARAOKEJACK』 キューン/2001
日本テクノ黎明期を支えた宣教師=卓球は日曜学校ならぬ月曜学校こと「オールナイトニッポン」でいち早くエイフェックスを布教。ゲスト出演した細野晴臣&盟友ピエール瀧と3人で『Selected Ambient Works 85-92』を肴に盛り上がったのも今は昔。後にこのアルバムで合成女装ジャケ仲間となろうとは!(石田)
12 THE DILLINGER ESCAPE PLAN WITH MIKE PATTON
『Irony Is A Dead Scene』 Epitaph/2002
ハードコア・パンクの突然変異、ディリンジャー・エスケイプ・プラン。エイフェックス・ツインの“Come To Daddy”をカヴァーするために彼らが呼んだ力強い〈先生〉は、マイク・パットン! その歌声は、エイフェックスの〈顔〉に対する執着を肉声化したような偏執狂のドリルンヴォイスだぴょん。(ロビ太)
13 トウチセイ
『きれいな世界』 Toh Chisei/2002
どちらかといえばキメリック・モスキート時代の作品のほうがAFXのアナログ泡風呂シリーズを想起させたりもするのだけど。リチャードとは同じ建物に住んでるんだけど、屋上と地下室ぐらいの違いがある。つまり、屋上に住んでいるトウチセイの曇りのないツブツブ&キラキラ世界の真下にはヤツが笑っているのです。(轟)
14 TOKYO ZAWINUL BACH
『VOGUE AFRICA』 Body Electric/イーストワークス/2003
はじめて彼らのライヴを観たときは〈リチャードD・ジェイムスがリミックスしたマイルス・デイヴィスみたい!〉と思ってしまいました。〈M〉なるシーケンス・ソフトによるリズムを軸にしてファンクをやろうとする彼らとリチャードは、〈テクノロジーのムチャな導入(もしくは改造)〉という意味では似てなくもない、かも。(大石)
15 KID 606
『Down With The Scene』 Ipecac/2000
初期はアレック・エンパイアから思想を蒸発させ、小学生フレイヴァーをたっぷり注入したガバ、その後穏やかなエレクトロニカ期に到達……と思いきや著作権を無視どころか目ン玉飛び出すストロングなバスタード・ポップを連発するキッド606。その多面性、そしてTR-606好きって部分がエイフェックスに似て蝶。(石田)
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