こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

耳で聴いたピープル・トゥリー

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2003年04月10日 10:00

更新: 2003年04月10日 15:32

ソース: 『bounce』 241号(2003/3/25)

文/石田 靖博、大石 ハジメ、轟 ひろみ、ロビ太

エイフェックス・ツインをめぐる音楽の果実は、ここに一本のトゥリーを生んだ

1 NINE INCH NAILS
『Further Down The Spiral』 Nothing/Interscope/1996
活動場所は違っても、偏屈な奇人ヴァイブはどこかで感応しあっていたのか、NINの“At The Heart Of It All”をAFXがリミックス。あるシーンの原初に関わり、いつの間にかそこから抜け出ている変体ぶりも、勝手な隠遁イメージを抱かれがちな仙人ぶりもかぶる。というか、ふたりとも髪を切りなさいよ。(轟)

2 MASAMI AKITA & RUSSEL HASWELL
『Satanstornade』 Warp/2002
いつの間にかリチャードとレーベルメイトになってしまったノイズ大王、秋田昌美。最新作となるこの作品で共同作業者として選んだのは、リチャードとのコラボ経験もあるラッセル・ハズウェルで、エクストリーム度マックスの爆音ノイズで楽しくセッション。ルーツも案外近そうなリチャードと秋田、今度はふたりで。(大石)

3 μ-ZIQ
『Tango N' Vectif』 Rephlex/1993
エイフェックス・ツインの影響で音楽制作を始め、シコシコ作ったテープをリチャードに渡して見事リフレックス入りしたマイク・パラディナス。風貌と同様ガリ勉気味に曲を大量生産、あげくマイク&リッチで仲良くコンビを組み、『I Care Because You Do』以降のリチャードに影響を与えるまでに成長した一番弟子。(石田)

4 HOT BUTTER
『Popcorn』 Castle
ムーグ音楽の父、ペリー&キングスレーのガーシュイン・キングスレー作、誰もが聴いたことのあるコミカルでファニーな名曲“Popcorn”。石野卓球が「僕にとって〈テクノ〉の原風景」として電気グルーヴでカヴァーし、「16歳まで他人の音楽を聴いたことがない」リチャードもコースティック・ウィンドウでカヴァー。(石田)

5 PINK FLOYD
『The Dark Side Of The Moon』 Harvest/1973
効果音、ノイズ、メロディーなどなど、いろんな要素を採り入れながら、クラシック音楽を思わせる構築美(&脱構築のスリル)でサウンド・トリートメントしていくピンク・フロイド。そのやり口はエイフェックスにも共通するところあり。〈狂気〉の裏側にものすご~く醒めたロジックがあるところも。(ロビ太)

6 RADIOHEAD
『Kid A』 Parlophone/2001
前作『OK Computer』で背負わされた期待にズッシリ応えすぎたこの問題作は〈Radiohead Album〉? あるいは〈Tom York Album〉? この後はエイフェックスが自己キャリアの総決算に向かったのと同じように、鮮やかなバンド・サウンドへ回帰していく。そういえば、写真を加工してたのもリチャードの模倣?(轟)

7 THE BAD PLUS
『These Are The Vistas』 Columbia/2003
エイフェックス好きを公言するアーティストは数多いけれど、カヴァーまでしちゃうヤツはそうはいない(いた!→)。で、堂々と“Flim”をカヴァーしちゃったのはバッド・プラスなるジャズ・トリオ。ピアノの音色を活かしたセンシティヴなアレンジのなかから、原曲の持つ美しさ(えっ?)が溶けだしてくるよう。(大石)

8 FRANK ZAPPA & THE MOTHERS OF INVENTION
『We're Only In It The Money』 Rykodisc/1968
一曲における体臭の濃さ。あらゆるジャンルの音楽を取り込んでも、純然たる〈ザッパ〉だったように、エイフェックスはエイフェックス。音楽に対するダダイスティックな眼差しも同じ匂い。さらに指揮者としての完全主義者ぶりもまた、ですね。エイフェックスの新作タイトルを聞いて本タイトルを思い浮かべました。(ロビ太)

インタビュー