耳で聴いたピープル・トゥリー(2)
DEVO
『Freedom Of Choice』 Warner Bros./1980
テクノ=コスチュームの美学を、ひたすらに貫いて、アートをお笑いでもって翻訳する。それがディーヴォとYMOに共通するマナー。YMOの人民帽に対抗するべく(?)ディーヴォがデザインしたウンコ帽はあまりに被りにくそうだが、日頃から筋トレを欠かさなかった彼らはビシッと着こなしている。さすがだ。(村尾)
JAPAN
『Gentlemen Take Polaroids』 Virgin/1980
ジョルジオ・モロダーと組んだシングル“Life In Tokyo”以降、YMOに音楽変遷を塗り替えられていったといってもよいジャパン。本作収録の“Talking Islands In Africa”を皮切りに「戦場のメリークリスマス」など、教授との関係はとくに密接だった。ちなみに細野とジャパンの関係性はあまりなかったようで。(久保田)
ART OF NOISE
『Who's Afraid Of』 ZTT/1984
本作で、教授が参加した清水靖晃“北京の秋”をサンプリングしていたというアネクドートのことも考えるにつけ(リスペクト! YMO最新リイシューでの田中雄二氏仕事)、“Moments In Love”は、もっといえばこのグループ自体が“PROLOGUE”“EPILOGUE”の翻案なんではないかと。LMD-649ばんざい!(村松)
ヤン富田
『MUSIC FOR LIVING SOUND』 フォーライフ/1998
直接的な繋がりはないけれども、なぜかYMO絡みに思われがちなヤン博士。エキゾティシズムの極みでもあるスティールパン奏者であり、かつ世界的電子音楽のマエストロであるところは細野チック。知識、技術、実験的手法、センスが奇跡のように渦巻き昇華した今作は、YMO以降最大最高の到達点的大傑作。(石田)
コーネリアス
『POINT』 トラットリア/2001
ベレー帽を被って爽やかにアコギを鳴らしていた若者が、のちに細野&幸宏と同じステージに立つっていうから人生はおもしろい。「テクノ・ポップがピコピコならエレクトロニカはチリチリ」との幸宏の名言を地で行く境地にエレクトロニカ系の人たちと正反対から辿り着いた名盤。ワールドワイドな騒がれ方も本家と似て蝶。(石田)
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