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特集

YMOはテクノにあらず!?

カテゴリ : ピープルツリー

掲載: 2003年03月13日 15:00

更新: 2003年03月13日 18:39

ソース: 『bounce』 240号(2003/2/25)

文/三田 格

TECHNO? Not TECHNO?

ヅカスケこと窪塚洋介の企画・主演で話題になった映画「凶気の桜」の原作に、20年前のテクノと現在のテクノとの違いがわかるヤツなんてボコボコにされてしまえばいい……というようなくだりがある。YMOは、つまりテクノだと思っていたほうが身のためであり、あれは当時のロック~ジャズ/フュージョンで、単にシンセサイザーを多用していたから人工的な雰囲気に思えた……ドラムの高橋幸宏が汗水たらしてドカドカと叩いていたりして、それこそボタンひとつでピッチを変えられるようなものではなかった……というようなことは、やはり知らないに越したことはないのである。YMOも当時は、人民服をユニフォームのように着たりなんかして、世の右傾化というものに茶々を入れてみたりもしていたけれど、あれやこれやで最近はもうシャレにならないというか、知識を深めないほうが身のためであるという事実はいつの世も変わらなかったりする。


「テクノ:バイヤーズ・ガイド 1983-2003」(河出書房)

テクノというジャンル名は、ディスコ・ミュージックの細分化を示すもので、最初はデトロイト・テクノをシカゴ・ハウスから区別するためにつくられたマーケティング用語だった。潜伏期間を過ぎたレイヴ・カルチャーがついに猛威を振るい始めた88年のことである(実際に広く使われ出すのは92年ぐらいから)。それ以前に、YMOやその周辺を、日本独自にテクノとかテクノ・ポップなどと称していたけれど、それらはイギリスやヨーロッパだと、クラフトワークに影響されたタームという意味で、一般的には〈エレクトロニック・ポップ〉と称されるのが普通。で、これがややこしいことに現在のテクノ・シーンでもニューウェイヴ・リヴァイヴァルというカタチで再生していたりして、複雑怪奇なこと、このうえない……ので、短いスペースでは説明もテキトーになってしまいますから、「凶気の桜」に出てくるようなナショナリストたちに袋叩きにされるのはイヤだけど、やっぱり知識欲が止まらないという方は『テクノ:バイヤーズ・ガイド 1983-2003』という本を、ナショナリストたちに見つからないようにこっそりと買って熟読するのがいいのではないかと……。


「テクノ:バイヤーズ・ガイド 1983-2003」(河出書房)

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