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カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2003年02月27日 16:00

更新: 2003年12月16日 19:34

ソース: 『bounce』 240号(2003/2/25)

文/栗原 聰

ダブは心臓と腹にくる

「ああ、聴いたよ。最高だ!」――マッシヴ・アタックの前身であるワイルド・バンチのオリジナル・メンバー、DJマイロによるミックスCD『The Wild Bunch: Story Of A Sound System』は、ブリストルの伝説的な出来事と80年代にアメリカ以外の国で起きたヒップホップの実録として、日本でも話題の一枚となった。

「オリジナルと新しい録音がミックスされたものだから、ちょっと不思議な感じはするけど、オリジナルが聴けるというのは興味深い。ファンクな面が前面に出ていて、それはそれでいいんだけど、マイロやネリー(・フーパー)が以前取り組んでいた実験的な面はあまり出ていないね」。

 最近だとコモンやナズのアルバムを気に入っているという3D。リアルなヒップホップMCとのコラボはサントラ『Blade II』でのモス・デフとの共演が初めて。以前はチャックDやラキム、Q・ティップといった、影響を受けたMCとの共演を目論んだこともあったという。スタジオに入れるくらいの年頃になった80年代、ちょうど流行りだしたのがヒップホップだったと当時を回顧する。

「ターンテーブルを使ったり、ループやサンプルを作ったり、スクラッチをしたり、そういったことはすべて重要だった。そういうことをやらなかったら、友達とガレージ・バンドを組んでいただろう。ありきたりの4人組のバンドをね。それがヒップホップを採り入れることによって、即座に音楽を生み出すことができた。それって結構パンクなことで、僕たちの曲作りもそうして始まったんだ」。

 ヒップホップとパンク/ニューウェイヴ。20数年前、その場所を共有していたもうひとつの手法がダブだ。ヒップホップと同等に、もしくはそれ以上に彼らの音楽に欠かせないダブは、『100th Window』でも重要な要素として活かされている。

「すごくいい音楽形態だと思うんだ。ベースとドラム主体のすごくシンプルな音楽だから、心臓と腹にくるんだよ。僕のはトラディショナルなレゲエ/ダブじゃなくて、ベースとドラムのアイデアから始めて、そこから築き上げていったって感じだね」。

 前作『Mezzanine』でも“Inertia Creeps”に顕著だったオリエンタルなストリングス使いは、新作ではより大きな存在感を残している。ヴァイオリニストが弾いたサンプルをカット&ペーストしているうちにアラブ~インド調に発展し、ストリングス・アレンジャーのクレイグ・プルースと出会ったことでオーケストラを導入することになった。

「すごく興味深い体験だったよ。大勢のプレイヤーが一度にプレイするとバランスの面で結構難しいんで、他のアイデアといかにミックスさせるかに気をつけないといけなかった。これで人間味が出せたんだ」。

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