HIP HOP(2)
CAM'RON
『Come Home With Me』 Roc-A-Fella/Def Jam
鳴り物入りでのデビューが大コケし、新たにロッカフェラから出直した本再出発作は、レーベル・カラーを大事にしつつ地元アップタウン・リプレゼントも忘れていない。“Oh Boy”“Daydreaming”あたりのメロウ系での引きフロウが特に絶品。(Masso)
NELLY
『Nellyville』 Fo' Reel/Universal
Welcome To Nellyville! 最高のクラブ・アンセム“Hot In Herre”から2002年最大級のヒットとなった“Dilemma”のようなラヴモノまでもこなす、最強のイコンへと成長を遂げた。#1という言葉に偽りはナイ。ノッてるヤツは強いのだ。(Masso)
VARIOUS ARTISTS
『Irv Gotti Presents The Inc.』 Murder Inc./Def Jam
凄く大雑把にいえば、ジャ・ルールとアシャンティに尽きた2002年上半期のR&B/ヒップホップ。その集大成となったのが両者も登場の本作。ポップ&アーバンな80'sフレイヴァーの下世話な導入は今年のアーヴ・ゴッティならではのモード設定か。(狛犬)
SCARFACE
『The Fix』 Def Jam/Def Jam South
レーベル移籍後初となるアルバムは、新天地のイメージを大切に守った全エリア射程圏内の多角的プロダクションが効果的。むろん、そんな振り幅の広さにも動じない堂々たるラップが乗ってこそ活きてくるワケだが。ビギナーは古巣から出たベスト盤とセットで。(Masso)
EVE
『Eve-Olution』 Ruff Ryders/Interscope
〈女性の~〉とか〈ラフ・ライダーズの~〉とか、そういう冠が真に不要になったイヴの大化の改新、あるいは横綱相撲。アリシア・キーズと共演した“Gangsta Lovin'”はこの秋きっての哀愁曲。ドレーとアーヴの影に隠れつつ、スウィズ・ビーツがこっそり復調していたのも収穫。(狛犬)
XZIBIT
『Man Vs. Machine』 Loud/Columbia
エミネム、ドレー、スヌープ、ネイト・ドッグら予想どおりのメンツも揃い完全武装された最新型Xは、贅沢なビートメイカーが繰り出すイメージは近未来的ながら、ラップは相変わらず原始的で野蛮。まさに〈Unbreakable〉な状態を象徴する強靭な一枚。(Masso)
CLIPSE
『Lord Willin'』 Startrak/Arista
前年に続いて、質量共に圧倒的なプロデュース・ワークを展開したネプチューンズが、2002年にもっともノリノリでプログレッシヴでヤバいビートを提供した一枚。クリプスには悪いが、ラッパーの存在意義すら消してしまいかねないポリリズミックなドラムスが抜群に格好いい。(狛犬)
JURASSIC 5
『Power In Numbers』 Interscope
来日も果たした恐竜6のオーセンティックなスタイルは2002年も強かった! 懐古スレスレのヴァイブをやや薄め、本国でも日本でも均しく受け入れられたのは流石。もともとの持ち味とメインストリーム感との融合という点ではブラッカリシャスの『Blazing Arrow』も忘れがたい。(狛犬)
TRINA
『Diamond Princess』 Slip-N-Slide/Atlantic
2002年大穴盤。いまだ偏見の多いマイアミの地から耳をつんざくハイトーン・フロウでシーンを席巻した彼女。良い意味でビァッチ・テイストを全面に押し出したラップを多彩なビートで下品に味付けした、子供に聴かせたくない大人のアルバム。(Masso)
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