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 日本にフィリー・コンシャスなアレンジを持ち込んだのは、ティン・パン・アレーの才人たち。後にスリー・ディグリーズ“Midnight Train”も手掛ける彼らだが、その最初期仕事である小坂忠の『ほうろう』なんかもまさにそう。矢野誠のストリングス・アレンジがいかにも!な“しらけちまうぜ”はもちろん、“ゆうがたラブ”などに漂うグッド・ヴァイブにもギャンブル&ハフの影。また、ひとりMFSB(?)企画『NIAGARA SONG BOOK』を残している大瀧詠一や、常にブラック・ミュージックを見事に歌謡曲へと翻案してきた筒美京平もフィリー・ライクな好編曲を数多く残している人たち。アレンジャーだと鷺巣詩郎も重要で、彼の手掛けたMISIA(アルバム・タイトルも!)曲の瑞々しさはフィリーに起因するものだ。ほかにも先述の筒美による“強い気持ち・強い愛”などが激フィリーな小沢健二、さらには角松敏生に久保田利伸に古内東子にSAKURAにノーナ・リーヴスに……みんなフィリー・ソウルに心を動かされてきたのだ。

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2002年10月24日 18:00

更新: 2003年03月12日 19:40

ソース: 『bounce』 236号(2002/9/25)

文/出嶌孝次

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