Illadelphia Another Face 世界に繋がるもうひとつの〈ネクスト・フィリー〉(2)
異能の天才、ヴィクター・デュプレー
次に登場はヴィクタ-・デュプレー。彼はソウルクエリアンズ一派のジェイムズ・ポイザ-とアクシス・ミュージック・グループを共同主宰、エリック・ベネイ、エリカ・バドゥ、ミュージック(・ソウルチャイルド)などR&B畑で仕事をしている。のだが、90年代前半はPIRやジャジー・ジェフのもとで下積みし、数多くのアーティストの作品を手伝っていた模様(下積みはポイザ-も同じ)。それも大事だけど、前述のスクーバ、以前はブリット&デュプレーの共同名義だったのだ。ここでブリットと共に〈アクア・ハウス〉(言葉で表すとナンじゃそれ?ですね)なプロダクションとコネ(いっしょに欧州DJツアー)を身につけた彼は、まずMAWからクリティカル・ポイント名義で“Message”(99年)をリリースして欧州DJ陣のプレイ・リストに加わり、独グルーヴアタックからの“Manhood/City Spirits”(2000年)はジャイルス・ピーターソン『Worldwide』の収録曲に選ばれ、おまけにツアー時にジャザノヴァとの交流が生まれたことで、彼らの“That Night”などでヴォーカリストとして起用された。待望のアルバムもそろそろだろう。