こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

特集

The City of Musical Love フィラデルフィア……音楽に愛された街

カテゴリ : フィーチャー

掲載: 2002年10月17日 18:00

更新: 2003年03月20日 15:10

ソース: 『bounce』 235号(2002/8/25)

文/林 剛

兄弟愛の街(City Of Brotherly Love)という愛称を持つ、米東海岸はペンシルヴェニア州のフィラデルフィア。親しみを込めてフィリー。アムトラックに乗ればNYからは1時間半程度。全米有数の大都市ながら、ほのかに漂うローカルな薫りが親しみを抱かせる……。ジル・スコットやミュージックらの音楽を好んで聴いているような人であれば、R&Bやヒップホップを中心に、ここ最近フィリーという土地にふたたび注目が集まっている、ということを漠然と感じ取っているのではないだろうか。

そんなフィリーから新しく湧き上がった音楽シーンをまとめて〈ネオ・フィリー〉と呼んでいるが、どうして〈ネオ〉なのかといえば、もちろんそれは、70年代を中心に、ケニー・ギャンブル&レオン・ハフらが築き上げたフィリー・ソウルが一世を風靡したから。流麗なストリングスに力強いビート、それに情熱的なヴォーカル……そんな〈あの頃〉のエナジーがフィリーでは絶えず続いている、と同地出身のバハマディアはとあるインタヴューで語っていたが、現在のフィリーの音楽シーンの盛り上がりを目の当たりにして、いまふたたびそのことを強く実感している。

とはいえ、80年代中期以降のフィリーでは、DJジャジー・ジェフ&ザ・フレッシュ・プリンスやスクーリーDといったヒップホップ・アクトが人気を得ていた程度で、ブームと言えるほどの盛り上がりはなかった。また90年代に入っても、ボーイズIIメンがデビュー曲“Motownphilly”(91年)で地元をアピールしたり、ダリル・ホール&ジョン・オーツのホールが“I'm In A Philly Mood”(93年)で故郷に想いを馳せてみたり、レジーナ・ベルがフィリー・ソウルのカヴァー・アルバム『Reachin' Back』(95年)を発表したり……と、フィラデルフィアという地は局地的に話題になりはしたものの、新しいシーンが芽生えることはなかった。点は線にならず、あくまでも点だったのだ。

記事ナビ

インタビュー